デイトレードであってもスイングトレードであっても株で勝てる人と勝てない人には大きな違いがある。これは株の世界に限った話ではなく、多くのことに共通する。
人生は日々勉強、そして成長することだ。暑苦しいことを言うつもりはないが、このことを理解して行動しているかそうでないかで人生は大きく違ってくるだろう。
株・デイトレで勝てる人の特徴とは
・ミスを受け入れることが出来る
・具体的な反省が出来る
・改善策を考えることが出来る
一見大したこともない内容に見えるが、実際にこれが出来る人は少ない。
デイトレーダー生存率が著しく低いことでもそれは証明される。
順を追って見ていこう。
自分の力量を正確に把握出来る
自分の持っている資産、知識、経験を踏まえ、自らのデイトレ力を知ることは難しくない。しかしデイトレーダーの多くは自信家であり、自分を大きく見せたがる。
株クラスターと呼ばれる世界で往々にして喧嘩が起こるのもこれが原因だろう。
なかなか意識されないが、株式投資は銘柄ごとに難易度が違う。
素人には難しい値動きをする銘柄、専業トレーダーのようなプロでも苦戦する銘柄、一周回って素人が何も考えずにやる方が簡単に勝ててしまう銘柄など様々だ。
順張りに向く銘柄もあれば逆張りに向く銘柄もある。これも知識と経験だ。
自分の力量を正しく判断出来る人は分が悪い勝負を避ける。目先で面白い値動きをしていると思っても、負ける確率の高い勝負と思えば避けることが出来るのだ。
自分の力量を正しく判断出来ることで勝てるようになるわけではない。負ける勝負をしなくなるのだ。
これがどれだけ大きいことか考えて欲しい。
自分の力量が判断出来ない人をプロ野球選手に照らし合わせて考えてみよう。
ピッチャーで、覚えたての変化球でまだ通用しないと思われる球種があったとする。
キャッチャーはそれを理解しているため、投げないように説得するも、せっかく覚えた球種を投げたいと主張する。そして投げた結果やはり打たれてしまう。
痛い人に見えるだろう。
ミスを受け入れることが出来る
デイトレーダーは自信家ゆえにミスをなかなか受け入れない。
自分が悪いわけではなく、相場が悪いと思いたいのだ。
例えばイナゴトレードで負ければ殿様イナゴのせいにするだろう。
イナゴトレードというトレード手法をご存知だろうか。今や知名度も高くなり、数も多くなったイナゴトレーダーだが、正しいやり方をしている人は少ない。 イナゴトレードは間違ったやり方をしていると信じられないくらいの速度で退場に追い込まれる。い[…]
大統領発言や政府の発言、介入による値動きで負ければ大統領や政府の悪口を言うだろう。そうやって他人のせいにしているうちはいつまで経っても勝てるようになどならない。
今負けている原因、その本質を理解しないでどうやって改善出来ようか。
大統領や政府があなただけのために発言をする日など永遠に来ないのだから。
先ほどと同様にミスを受け入れられない人をプロ野球選手に例えたい。
スランプに陥り、ボール球に手を出して三振するケースが増えているバッターを考える。
ミスを受け入れられる人は自分の不調の原因を具体的に考え、ビデオでスイング軌道の確認をしたりコーチにアドバイスを求めたりしてスランプ脱出の努力をする。
ミスを受け入れられないバッターは少し調子が悪いだけだと考え、何もせずともすぐに打てるようになると思い込み、努力をしようとしない。
打てない原因が自分にあることを認めないのだ。
具体的な反省が出来る
ミスを受け入れられるようになって初めて具体的な反省が出来るようになる。
自分が悪かったということを認め、何がいけなかったのかをしっかり理解する。
そうすることで今後の改善策も見えてくる。
先ほどのバッターについてもう少し書きたい。
ここからが特に重要なポイントとなる。
2.軸足に体重を乗せ、ボールの変化を見極めるようにする(改善案)
2.ボール球を振らないようにする(改善案)
全く笑い事なんかではない。このような痛いプロ野球選手はいないだろう。具体的な反省が出来るからこそ上達し、プロにまで上り詰めることが出来たのだ。
具体的な反省の出来ないバッターはすぐに引退だ。
株・デイトレで勝てない人の特徴とは
簡単に言ってしまえばデイトレで勝てる人の特徴で書いたことが出来ない人だ。
・ミスを受け入れない
・他人の意見に耳を貸さない
・抽象的な反省しかしない
・改善策が稚拙
デイトレで勝てない人にはこのような特徴がある。
大半はすでに先述してあるため、いくつかピックアップして説明する。
他人の意見に耳を貸さない
こうなってしまう理由もわからなくない。
繰り返すがデイトレーダーには自信家が多い。そして自信家の多くは誰かに対してドヤしたくなるものだ。負けているトレーダーを見つけるとその対象を見つけたと考える。
自分より弱い立場の人間に対してマウントを取りに行く。
デイトレ界に限らず日本人はこういう悪い習慣を持っている。
そしてそうやってマウントポジションを取られることを極端に嫌う習性もある。
他人に意見をされるのが大嫌いなのだ。
なるほど、喧嘩が絶えないわけだ。
ただ、中には本当に役に立つアドバイスを親身になってしてくれる人もいる。要は相手を見極めればいいのだ。マウントを取りに来る人は相手にしなくていい。する価値もない。
そもそもそんな人は大した実力もない可能性が高い。
本当の実力者はそんな無駄なことに時間を使わない。
本当の実力者は聞き手が嫌な気持ちになるような言い方を最初からしない。
本当の実力者で、親身になってアドバイスをくれる人に出会えたのならば、真剣に耳を傾けるべきだ。自分がまだデイトレで勝てないという力量を判断し、それを受け入れるのだ。
そうすることで他人の意見を素直に聞けるようになる。
筆者自身も負け続きだったが、あるアドバイザーと出会い、その意見を受け入れることで劇的に変わったことを鮮明に覚えている。良きメンターと出会える運も必要だが、幸運にも本当にすごいと思える人と出会えたのなら、素直な気持ちで話を聞くようにしよう。
抽象的な反省しかしない
先ほどのプロ野球選手の例を今度はデイトレーダーに戻してみたい。
2.地合いとの兼ね合いを見極め、買う前にひと呼吸置くようにする(改善案)
2.ルールを守るようにする(改善案)
トレードルールの記事やコツコツドカンの記事でも書いてきた。
詳しくはこちらをご覧いただきたい。
株式投資をする上で独自のトレードルールを設定している人は多い。だがこのトレードルールを上手に使えている人は残念ながら少ない。それどころかマイナス要因となる場合もある。 トレードルールに限らず、どんなものでも上手に使えばプラスになり、使[…]
結論から言えば勝てる。問題なく勝てる。コツコツドカンという投資スタイルは完全悪のように扱われることが多いが、果たしてそうだろうか。人間誰しもが少なからずコツコツドカンになるはずだ。 プロスペクト理論というのがある。人間の損失回避思考理[…]
なんとなくダメ、なんとなく良い感じのようなイメージだろうか。根本的な部分が見えていないのだ。いや、見ようとしていないというのが正しい言い方だろうか。
デイトレで勝てる人と勝てない人の違い
すでのお気付きのことと思う。デイトレで勝てる人の特徴も、デイトレで勝てない人の特徴も全て綿密に絡み合ったものになっているのだ。
デイトレで勝てる人は自分を客観的に見て力量を正しく判断することが出来る。
それゆえミスをすれば現実を直視し、受け入れ、具体的な反省をすることが出来る。
具体的な反省をすることで今後への改善策も見えてくるだろう。
反対にデイトレで勝てない人は自分を過大評価してしまいがちだ。
本当の実力以上の評価をしてしまうことで、ミスを自分のせいだと受け入れない。自分より力量があると思う相手の言葉も素直に受け入れようという気持ちが持てないのだ。
そんな状態では具体的な反省も出来ない。
自分で設定したルールを破ったから負けたという言い訳をすれば、自分で作ったルールが優秀だという体裁が保てる。ハッキリ言ってしまえばくだらない。
自分でもくだらないということはわかっているはずだ。
それでもなかなかこの負のスパイラルから抜け出すことは出来ない。
改善策は簡単なようで難しいが、実はやっぱり簡単なことなのだ。
自分なんて大したことない
これぞ魔法の言葉だ。この言葉は自分を楽にしてくれる。
自分を大きく見せる必要もない。見栄を張る自分から解放される。他人の意見を素直に聞くようになる。きちんと反省し、改善策を考えるようになるはずだ。
いいじゃないか。
負けを認めることで、プライドを捨てることでお金が減らなくなるのなら、お金が増えるのなら、デイトレで勝てるようになるのなら安いものだ。
そうしてレベルアップし、デイトレで勝てるよになったらまた自分に自信を、プライドを持てばいい。今度は本当の実力と共に。今はあえて弱者になろう。
技術や精神面の強さはそこまで関係ない
デイトレで勝てる人も勝てない人も結局はただの人間であり、本来大きな差はない。
上記の中でも筆者が特に大事だと考えているのは自分の力量を正しく判断する力だ。
これがあれば技術がなくても、豆腐メンタルでもそんなに影響はない。
自分をきちんと知れば下手くそで技術がなかったとしても、そのことを利用出来る。極端な話、買えば下がり、売れば上がるのであれば自分の考えと完全に逆をすればいい。
毎回含み損を作ってからトントンに戻すのであれば、買値を少し我慢して下にずらしてやればいい。
たったそれだけのことだ。自分を正しく理解するだけで様々な方法を取ることが出来るようになる。
豆腐メンタルでなかなか勇気が出ないのであれば買値で欲張ればいい。無鉄砲な性格よりもむしろ慎重な買値となって含み損を作る機会が少なくなるだろう。
怖くてすぐに売ってしまいリカクが伸ばせない?贅沢な悩みじゃないか。
そういうタイプは含み損の時にだけ無駄に粘る。リカク出来ていることを喜ぶ方がいい。もしもその部分を変えたいと言うならば、売った後に上がる悔しさを頭に叩き込むのだ。
数回繰り返すだけでインプットされ、粘るようになるだろう。
その結果含み益が含み損に変わる経験も増えていくことになるのは避けられないが。
デイトレーダーは紙一重の戦い
結局のところ勝ち組も負け組も同じ人間であり、株を始めた時点において大きな差などない。そして株で勝ち続けている人も常に紙一重で戦いに勝っているのだ。
そして紙一重の戦いであることを彼ら自身が一番よく知っている。
周りから見れば楽に勝っているように見える専業トレーダー、プロトレーダーであっても日々努力を続け、常に紙一重で上回るための行動を取っているのだ。
自分の力量を正しく判断した上で、多少なりとも過小評価するくらいが努力を続けるためにはちょうど良いのかも知れない。努力を止めてしまえばすぐに勝てなくなってしまう可能性もある。
どんな世界も努力の繰り返し、そして進化合戦をしているのだ。
周りが成長しないなんてことはない。現時点で自分が勝てるデイトレーダーであっても、自分自身が進化し続けなければ周りに抜かれていってしまう。
トレーダーは決して楽な仕事ではない。
努力することで勝ち組という地位を築いて欲しい。
まとめ
デイトレで勝てる人と勝てない人の違いについて書いてきた。筆者自身がデイトレで勝てない人からデイトレで勝てる人へと変わったことで両方の立場を経験してきた。
じわじわ勝てるようになるというよりは、雷に打たれたような衝撃を覚え、一気に成長したタイミングが確かにあった。本記事、本サイトがそのようなきっかけになれば幸いだ。