資産運用は資金力があればうまくいくとは限らない|リスクと不労所得

副業やセミリタイア生活に注目が集まっている。いわゆる不労所得というものにも興味を持った人が増えているそうだ。そしてその代表的なものに資産運用が度々取り上げられる。

そういった発信者の多くは資金力がモノを言うといった類の言葉を使う。

だが、実際に株式投資という資産運用の場を仕事としている立場で言わせてもらえばそれは断じて違う。まず決して不労所得などではないし、かつ資金があれば勝てるようなものでもない。

本記事にてとことん解説したい。

ネットビジネス系インフルエンサーたちの言い分

彼らの言い分はこうだ。

1.まずは3000万円貯めよう
2.年利5%の株に投資すれば年間150万円の不労所得が得られる
3.その配当も投資に回して複利で配当を得ればさらに大きな利益だ
4.5000万を投資すれば毎年250万円もの不労所得になる
5.まずは投資資金を作るために・・・

正直なところ第一印象としては「うまい」としか言えない。

株式投資のことを不労所得と称して楽に稼げるものとして紹介。そして資金が多ければ多いほど簡単に、それも高額の不労所得が得られるという認識を相手に植え付ける。

さらに複利という考え方でうまみをより強調する。

しかしそもそものスタート地点である3000万円の余裕資金を持っている人など、そうはいない。サラリーマンの給与所得のみでここまで貯蓄を増やすのは至難の業だろう。

仮に貯蓄が3000万あっても投資に回せる余裕資金とは違うはずだ。

余裕資金3000万、5000万という遠い地点にゴールを置き、そのゴール達成の手段としてサラリーマン一本では厳しいと説く。その上で自分たちのセミナーなどへ勧誘だ。

勘違いしないで欲しいのは、筆者は決して批判をしているわけではない。

ビジネスとして非常にうまい誘導をしていると純粋に感心しているのだ。

しかし株式投資が不労所得であり、資金があれば配当金で暮らしに余裕が出るという認識を植え付けることだけはどうしてもやめて欲しいと考えている。

余談だが投資顧問などはきちんと登録制になっていて、許可がないと運営が出来ない。

投資助言などを行っている人がいたら許可をもらっているか確認した方がいい。

裏を返せば投資顧問業を営んでいる会社は皆登録、許可された業者なのだ。

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株式投資や配当所得は不労所得ではない

株を買ったらあとは持ったまま放置をしていればいい。そういう認識が広まっている。

確かに2012年以降、多少の悪い時期もあったが概ね良好に株価が推移している。日経平均だけを見ても3倍を超えている。個別銘柄に目を移せば5倍、10倍銘柄も多い。

いわゆるテンバガーといわれるケースがそこまで珍しくない時期となった。

だが、その株を買って持ち続けていた人たちは決して運否天賦の勝負をしていたわけではない。

きちんとファンダメンタルズ分析をし、今後の日経平均株価やマザーズ指数などの指標を予想、個別銘柄では業績なども加味してどの銘柄に投資をするか決断する。

時には大きな下落に見舞われることもあり、それに耐える力も必要となる。

ネットビジネス系の人たちは自分たちの知識を有形無形と様々な商品にして販売している。

そう、知識を売り物にしている人たちだ。

そういう人たちだからこそ、株式投資が知識やメンタルの勝負であり、その知識や経験が財産となっていることに気付いて欲しいという思いが強い。

この期間、大きな財を築いた人たちは決して不労所得ではなく、知識の勝利をもぎ取ったのだ。

資産運用はリスクを伴う

「この3000万円を利回り5%の配当先に投資すれば」

このような言葉を簡単に発してしまうのは非常に危険と言える。

過去の暴落、恐慌を例に挙げて不安を煽ろうものなら老害扱いされるような時期にあることは認識しているのだが、それでもリスクについてはきちんと知っておく必要がある。

記憶に新しいようですでに10年以上も前の話になってしまうが、サブプライムローン問題を発端に起こったリーマンショックではとんでもない暴落相場となり、それも長く続いた。

この間、多くの会社、銘柄が倒産、上場廃止となった。

投資先の企業が倒産すれば株は紙くずとなり、3000万円も限りなく0円になってしまう。

倒産でなくともこの期間には株価5分の1、10分の1となる企業は当たり前のようにゴロゴロしていた。

5%の配当で250万円を毎年もらおうとして5000万円を投資したが、1年で株価が10分の1になってしまい、500万円の価値しかなくなってしまうということだってある。

配当も減配となり、利回りが悪くなることもある。

これは余談であり、単に筆者が下手だった話だが、IPO投資をした際、暴落相場でもないのに短期間で資金が10分の1になってしまった経験が筆者にはある。

深く考えずに手を出すと痛い目を見る可能性もあるのだ。

株式投資や配当所得について発信する場合はこの手のリスクについても必ず触れて欲しいものである。

5%の利回りで安心出来る投資先

さて、リスクを加味した上でこのような都合の良い銘柄は発見出来るだろうか。

確かに「現時点で」という条件を付随すれば発見も可能だろう。だが長くお付き合いして毎年不労所得のように配当をもらい続けることが目的であれば未来を考えねばなるまい。

「大きな会社だから」「国策関連銘柄だから」というのは全くアテにならない。

ひと昔前の東京電力は、最近の日本郵政はどうか。

ほんの少しのきっかけ、悪材料から大きなリスクに発展するケースも少なくない。

つまりどんなに熟練したトレーダーであっても遠い未来を予測することなど不可能なのだ。

それなのにネットビジネス関連のインフルエンサーたちがまるでリスクなく毎年5%の不労所得が配当で得られるとサラっと言っていることには非常に大きな違和感がある。

彼らは熱弁しているわけではない。

だが、サラっと流すように発言することは時に熱弁以上の説得力を持つ。

特にそれだけすでに影響力を持ったインフルエンサーがサラっと言うとなればそれだけ「当たり前の事実」なんだろうとブログの読者、YouTubeの視聴者は感じることだろう。

これは大変危険な流れだ。

働き方改革で副業時代へ

共働き世帯は年々増えている。だがそれと同時に男性の育休も広まりつつある。

時代とともに人々の働き方、暮らし方は徐々に変化してきた。

そして今、共働きだけでなく副業時代へと突入しようとしている。

もしかしたら本業という概念も今後なくなっていくのかも知れない。例えば男性側が収入源を複数持ち、今よりも収益を伸ばすことが出来れば共働きの必要性が薄れるかも知れない。

鍵っ子と呼ばれる児童も減り、待機児童も減る。

だが副業に取り組むには時間が必要だ。一生懸命働いている中でやっと取れる自分の時間。これを削ってまで違った仕事に着手する決断はなかなか出来るものではないだろう。

だからこそパソコン1台で出来るネットビジネスへの興味が高まっている。

そしてその流れが時代を先取ったインフルエンサーたちのビジネスを加速させている。

恐らくこういったビジネスが10年前とは違い、きちんと土台が出来上がった正規のビジネスとして確立されていることは多くの人が知り、そして認めている部分だろう。

情報商材という商品も以前と比べれば随分と定着してきたように感じる。

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それだけに彼らの言葉は一つ一つが影響力を持つ。

リスクとリターンを正確に知る

例えばYouTuberになるのであれば撮影機材さえ買えばあとは無料でチャンネルの開設も出来る。金銭的リスクという意味では皆無と言える。これはブログに関しても同じだ。

トレーダー、特にデイトレーダーは収支報告などのブログを副業として書いている人も多い。

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最初のうちはほぼ0~少ない収入であっても固定ファンを確定出来れば徐々に伸びてくるだろう。特に収支が荒い人のブログは人気化しやすいため、該当する人は始めてみるといいだろう。

このようなパソコン1台あればどこでも出来るネットビジネス系の副業はお金というリスクが極端に低い。だがその反面時間的リスクが介在していることを忘れないようにしたい。

例えば月に10時間の作業で大きな利益を出す人もいれば、毎月50時間使っても成果が出ない人もいる。

「こんなに頑張ったのにこれだけしかもらえないのか」

根気良く続けられる人なら問題ないが、この言葉を発する可能性がある人は最初から避けるのも手だ。

だが、ネットビジネスをしている人たちというのは苦労の先取りをしているようなもの。

毎月30時間、50時間と成果が出ない期間に頑張り続けることで、将来的に毎月少しの作業で月収数十万という稼ぐ仕組みが完成する人もいる。時間もお金もリターンとなるのだ。

無論多くの人は挫折するわけだが、成功する人はこのような夢の生活が手に入る。

何かに似ていないだろうか。

そう、株式投資だ。結局この世界もトレーダーと同じような世界になっているのだ。

個人で稼ぐ時代へ

副業時代によって個人で稼ぐ時代へとシフトしていくことになるだろう。

様々なスキルを持っていることは会社就職に有利ではあるが、個人で稼ぐ副業に活かせるかどうかは自分のやる気と努力、そして適応能力次第ということになろう。

これからは個人で稼ぐ仕組み作りのスキル、そして副業のための知識、知的財産が大きくものを言う時代になると筆者は考える。

当然トレードというスキルは副業として大いに活躍することだろう。

トレードは不労所得ではない。稼ぐための知識は過去の苦い経験、つらい思い出から積み上げられて出来上がるものだ。それを使うための勇気や決断力も必要になる。

「デイトレーダーはバカで・・・」という役人の発言が取り上げられたこともある。

だが老後2000万問題などもあり、今後デイトレードというスキルは副業として認められる時代になるのではないか。もちろんデイトレードだけではない。

当記事で取り上げたネットビジネス、バリュー株投資や配当所得狙いなど、今までは不労所得扱いされ、汗水たらして稼いだお金ではないと卑下されることもあったタイプの収入源。

これらが今後スポットを浴びていく可能性は極めて高いと考えられる。

だからこそ、今度多くの人が参入する世界だからこそ絶対に忘れてはいけないことがあった。そう、リスクについてだ。ネットビジネスについても株式投資についてもだ。

ネットビジネスはまだまだ怪しい目で見られることもある。世間は新しいことを受け入れるまでにどうしても時間がかかるものだ。もうしばらくは仕方ないことだろう。

また、いくら頑張っても芽が出ないという時間的リスクが大きいことも忘れてはいけない。

資産運用においては時間的リスクは大きくない。

だが、世間でどんなに安全と言われているタイプの運用であってもそこには必ず金銭的リスクが介在することを忘れてはいけない。株式投資は安全な投資などではない。

多くの人が忘れているであろうとんでもない暴落が来ればそれまで積み重ねてきた多くのものをほんの数か月で全て失ってしまう人も出てくるだろう。

これはどんなに警鐘を鳴らしていても一定数そういう人は出てくる。

もちろん臆病風を吹かせてばかりでは大きな財を築けないことも確かだ。

つまり大事なのは自分の資産内でうまくバランスを取ることだ。

本来、株式投資は余裕資金でという格言があるほどだ。なくなっても困らないお金などあろうはずもないが、なくなっても困らないお金で行うことが推奨されているのも事実なのだ。

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まとめ

過度な残業対策、共働き、少子化、育児休暇など働き方を取り巻く環境や推奨内容は目まぐるしく変化している。これからも大きな変化は続いていくことだろう。

そんな中、副業や個人で稼ぐという流れは間違いなくくるだろう。

そしてそのスキルを手に入れた者は決して食いっぱぐれたりはしないだろう。

最後になるが多くの人に株式投資、デイトレードだけでなく様々な副業にチャレンジして欲しい。

そこに時間的リスクは確かにある。だが挑戦したことが無駄になることだけは絶対にないからだ。ブログを書けば文章を書くスキル、デザインやレイアウトの技術、感性が磨かれる。

YouTuberに挑戦すれば人前に出ることへの耐性も付き、喋ることも上手くなる。

そう、仮にその副業、個人で稼ぐことが成功しなくとも、後に何かの仕事で活かせることばかりなのだ。考えてみれば当然のことでもある。何せ個人で稼ごうと考えるほどの内容にチャレンジしたのだ。

その多くは組織から必要とされるスキルになっているはずだ。

まさに二段構えの戦略である。失うものなどない。家でゴロゴロしていたりスマホをいじっていたりする時間が1日1時間でも30分でもあるのなら、あなたも始めてみてはどうだろうか。

参考までに筆者が登録している投資顧問無料メルマガの中でもよく使う2サイトを掲載しておく。無料銘柄だけでなく、相場概要についても無料で配信されるので重宝している。

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しかしメール数が多く来るため、プライベートメールで登録するのはオススメしない。

無料メルマガ専用のアドレスを作っておくのがいいだろう。

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どちらもフリーメールで登録出来、個人情報を入れる必要もないのが嬉しいところだ。