株で買い板が厚いのに上がらない理由とは|心理と歩み値で説明

株トレードをする上で板の見方というのは最初に覚えることになるだろう。しかし見方を知った上ででデイトレードをすると不思議な現象を目の当たりにすることとなる。

それは売り板が薄くて急騰を期待しても全く上がらず、それどころか分厚くなっていたはずの買い板が一気に売り崩されるケースも多い。

なぜ、なぜこんなことが起こる。板を見る限り下がる危険は少なく、上昇する期待も出来たはずだった。納得が出来ずに悶々とする日々を過ごす人もいるだろう。

本記事では板が厚い方に動くのは本当なのかどうか考えていきたい。

板が厚い意味とは

買い板が厚い、それはつまり買いたいと思われている株数が多いということ。そして売り板が厚い、それは売りたいと思われている株数が多いということを意味する。

あくまで株数というのがポイントとなる。

人数を知りたい場合は楽天証券などが提供するマーケットスピードを使えば「買件数」「売件数」という部分を見ることで知ることが可能だ。人数の方を参考にした方がいい。

なぜなら大口投資機関などが1件で大きな注文を入れている可能性があるからだ。

大衆心理を読もうとするならば人数で考える方が無難となる。

逆に少ない件数で多い株数であれば大口注文が確定するから、機関の意思は強いと思い込むことも危険なため、やめた方がいい。これも初心者にありがちだが、板は厚い方に動きやすいことを知っておく必要がある。その理由についても考察していこう。

分厚い買い板がズラリと並んでいるケース

例えば売り板が300株ずつ程度の並びに対して買い板は5~10倍規模、1500~3000株ずつで構成されているケースだ。こういう場面は何度も目にしたことがあるだろう。

見るからに買いが強く、いずれ上がるとしか思えない。

仮に上がらずとも、ここを売り崩される心配などないだろう。

デイトレに慣れない人はきっとこういう思考になる。

時には20倍規模で並んでいる場合もあったり、1ティックおき、2ティックおきなどで分厚い買い板が用意されていることもあり、様々な構成を見ることが出来る。

そういう場面になったら必ず上に行く、必ず下に行くというわけではない。

株は、デイトレードはそんなに単純なものではない。

見るからに上に行きそうなこの板状況で、あえて確率を言うならば7~8割が下へ、2~3割が上へ行くだろう。ただ確率であり、参考程度に留めておいて欲しい。

分厚い板の売り崩され方

これはじわじわ崩されるわけではない。少し目を離した隙に一気に厚い買い板部分が全て消えている。仮に見ていたとしたら衝撃的な瞬間を目の当たりにしたことだろう。

歩み値の表示もしている場合、値下がりを意味する緑色の数字がズラリ並んだことだろう。

それも数千、数万株規模の売りがドカンと降ってきたことがわかる。

たった数百株の売り板を買い上がることが出来ない中で、なぜこんなにも分厚い買い板を一気に崩すことが出来るのだろうか。誰がそんなことをしたのだろうか。

多くのクエスチョンマーク、怒り、悲しみが出てくることだろう。

1か所に大きな板がある場合

買い板がズラリと並ぶケースだけでなく、2000株程度の売り板、買い板が両方に並んでいるものの、買い板の先頭付近に50000株くらいの巨大なものが出現する形もある。

「なんだこれは」

誰もがそう思うことだろう。一瞬反応して上昇を見せることもあるが、すぐに鎮静化する。

そしてにらみ合いのヨコヨコとなる。

ここでこの買い板を頼りに買いを入れる初心者も多かろう。

しかしこれも突然売り崩される可能性がある。一気に売り崩される場合もあれば、じわじわと喰われ、最後に一気に売られるというパターンもある。

そしてその大きな買い板が突破された瞬間、やや大き目な急落が起こりやすい。

これは大きな買い板を頼りにしていた人たちが諦めて一気に売りに走るためだ。

歩み値情報はきちんと確認すること

ズラリと並んだ大きな板が崩される時はきちんと売買が成立して崩された可能性が高い。しかし1か所に大きな板があったものの、なくなった場合、崩されたわけではないかも知れない。

そう、取り消しされた可能性もあるのだ。

崩されたという意識を植え付けるための戦略である可能性もある。

騙されないためにも歩み値情報を確認し、なぜその板がなくなったのかを知る必要がある。

なぜ株価は板が厚い方へ動くのか

我々個人投資家は生き残るために想像しなければならない。

大口投資機関の気持ち、戦略を。

だが思考を読んだところでその1人、2人の心変わりがあれば全く意味もなくなる。

ならば自分が大口投資機関であった場合、何をしたい時、どのような行動を取るのか考えてみよう。非現実的な話であり、想像力を働かせるのが難しいところだが、これは大きなヒントとなる。

・買い集めしたい時
・売り抜けしたい時
・強さを演出したい時
・弱さを演出したい時

この4パターンを想像することで色々と見えてくるはずだ。

買い集めしたい時・売り抜けしたい時

多くの株数が欲しい時、どうすれば効率的に買い集められるだろうか。数百株、数千株ではない、もっともっと多くの株が欲しい時だ。普通に売り板を食ってもたかが知れている。

ならば売り板をズラリ並べるのが効率的だ。

そうすることで「上がる気がしない」と思った人たちが諦めて売る。

時間をかけてそれを拾い続けていけばかなりの株数が買い集められるはずだ。

反対に売り抜けしたい場合、買い板をズラリ並べておくことで個人投資家の売りで下がる可能性は少なくなる。ある程度の売りが出ても受け止められるからだ。

その上で強さを確信した個人投資家たちに上値で売り続けていくのだ。

これも時間をかけることでかなりの株数売り抜けることが出来るだろう。

予定数買い集め、売り抜けが終わったらそのズラリ並んだ板の出番は終わる。一気にクロス取引などで均衡状態を終わらせにくるのだ。

株は買いと思ったら売り、売りと思ったら買いという格言がある。

この板の流れはまさにこの格言通りと言えるだろう。

強さ・弱さを演出したい時

こちらは買い集めや、空売り集めが終わった後にどうやって株価を上昇、下落させるかだ。自分たちの力だけで強引に株価を上昇、下落させるのには無理があるだろう。

やはり大衆心理を利用しにくるはずだ。

もしも先述のように1か所あまりに大きな、あまりに分厚い板が出現していて、それをぶち抜いたらどう思うだろうか。すごい強さ、弱さがあると思わないだろうか。

ではその直前、大きな板が喰われ出し、どんどん小さくなっていったらどう思うだろうか。

この心理を使い、個人投資家に強い、弱いという意識を植え付けることが出来るのではないか。

例えば歩み値に残らない形でも、大きな買い板を出しておき、それを取り消したら買い板が崩されたと勘違いした人たちの売りを誘うことが出来る。

このように大きな資金力があれば、ある意味でやりたい放題が出来てしまう状況なのだ。

株に正解はなく値動きも様々

あくまでも本記事の主旨は板が厚い方に向かって株価が動きやすい理由、向かうはずがないと思えるような板状況でなぜそちらに行きやすいかという説明だ。

先述のように確率的なものであり、多くとも8割以下でしかない。

大口投資機関にも心変わりがあったり、もっと大きな投資機関に喰われそうになったりと個人投資家が知り得ない領域で戦いが起こっている可能性も否定出来ない。

それだけでなく、買い板が厚い時、そのまま強さを演出する形を見せることで騙し板がその後も通用するようになる。5回に1回程度でもそれを見せられれば我々は騙され続けるだろう。

また、時には大衆心理が大口投資機関を上回ることもあるだろう。

イナゴトレードなどでもわかるように、個人投資家も集結した場合はとんでもない火柱、強烈な大陽線を演出する力を持っているからだ。

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大口投資機関と大衆心理

相場においてはほとんどの場合、大口投資機関の思惑通りの動きとなる。

扱っている銘柄ごとに機関の資金力や性格も違うだろうが、結局はやられ放題になりやすい。

しかしさらに資金力のある投資機関に喰われる恐れもあるため、一定の節度ある行動になることも多い。

では我々はこの大口投資機関の思惑を理解する必要があるのか。

これは先述のようになかなか難しいものがある。

実際に理解したつもりでも違う場合はあるだろう。それに心変わりされたら終わりだ。たった1人、2人の心理でこちらの全てが左右されてしまうのでは運にも似た要素となってしまう。

では個人投資家、個人デイトレーダーが読むべきは何なのか考えてみよう。

イナゴは共食いをする

イナゴトレード、イナゴトレーダーという定義とは違うだろうが、個人投資家も結局はお金に群がり、お金を奪い合う。言わば共食いをするイナゴのようなものだ。

ならばイナゴらしく共食いをするのが筋だろう。

殿様バッタのような大口機関に逆らったり、媚を売るのは違う。

デイトレで勝つためにはズバリ大衆心理を読むことだ。

そんなことは当然と思うかも知れない。

ただこれは通常の範囲での大衆心理ではない。

大口投資機関の策略により右往左往する大衆心理を読むのだ。

大衆心理を読めれば1人、2人の心変わりがあったところで大勢に変化はない。

そして大衆心理を読むというのは難しいようで実は簡単なのだ。何せ自分自身が大衆の一員である。つまり自分がその場に立ったつもりで一生懸命考えればいい。

「自分ならどうするか」と。

その答えはきっと大衆心理と大差ない。

その大衆心理は利用される側の心理となる。

ならばどう行動すれば勝ちへ近付けるか。

自然と答えが出るはずだ。

まとめ

株で板が厚い方に行きやすい理由について書いてきた。特に覚えておいて欲しいのは、買い板が厚いのに1つ上の売り板さえあまり買われていない時はとても危険ということだ。

強い雰囲気というのは下方に買い板が並んでいることではない。どんなに買い板がスカスカであろうとも上値を買われるということこそ強いということなのだ。

当サイトには他にも様々な記事があるので参考にして欲しい。

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目に見えることだけでなく、そこに隠された意図まで読み取れる努力をしよう。

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