アメリカNY市場・世界の株価暴落後はデイトレードの大チャンス

アメリカニューヨーク市場が暴落するとほぼ確実に日本市場も大きく下げて始まる。多くの人はここで恐怖を感じてしまうことだろう。しかしこのタイミングこそ大チャンスだ。

特に持ち越しをしないデイトレーダーからするとここで儲けずしてどこで儲けるというくらいの大チャンスとなる。普段コツコツしか取れない人でも大きく取れる可能性がある。

そのカラクリについて徹底的に解説する。

米市場暴落後の朝の寄り付き

アメリカ市場・世界の株価が暴落した翌朝、日本市場も大きく値を下げて始まることとなる。いわゆるショック相場と呼ばれる規模の暴落であれば数分間は需給も一致しない。

前日終値と比べてかなり低く始まることになるだろう。

一体株価がどうなってしまうのだろうか。そんな不安と恐怖に支配され、なかなか人は新規買いを入れることが出来なくなる。だがそんな時こそ実は大チャンスなのだ。

筆者が今の兼業デイトレーダーとしての地位を確立出来たのはサブプライムローン問題やリーマンショックがあったからだと思っている。当時は大きな恐怖も感じた。

しかしそのような世界株価の暴落時にこそわかる心理がそこにあったのだ。

窓空けした相場は大チャンス

前日安値よりも安く寄り付いた場合、日足チャートで窓が空くと表現される。ローソク部分だけでなく髭部分も入れて考えるケースが多い。よって終値ベースではなく安値ベースで見る。

1.最安値1900円をつけるも反発する
2.1940円で大引け
3.翌朝1840円で寄り付く

このような流れだと1840~1900円の部分が窓となる。真空地帯とも呼ばれる。

この部分はPTS以外に出来高が一切ないことになる。

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このような時、1840円で寄り付いた後は1900円を目指す値動きとなる確率が非常に高い。あくまで確率の話であり、期待値の部分だ。必勝法などという類ではない。

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リーマンショック時は毎夕のように欧米市場は暴落し、毎晩のように米市場も暴落するような展開だった。そして当然日本市場も大きく下げて始まる日が多かった。

日経225採用銘柄などはなかなか戻りは鈍かったものの、個人投資家が好むような中小型株、新興マザーズ市場やヘラクレス市場、ジャスダック市場の銘柄はよく戻った。

1840円の寄り付きで買い、1900円が近付いたところで欲張らずにリカクする。

本当にこれだけで朝は簡単に利益を出すことが出来る時代だった。

現在の窓埋め理論

時代は流れたが、人間の心理の本質は変わらない。

現在でも窓埋め理論は十分に通用する。しかし以前と比べて精度は確実に落ちているため、警戒することも必要だ。どんなに必勝法に近い理論があっても世間に広く知られれば効果は半減する。

窓埋め理論ももはや知らない人はいないというくらいに広まった。

ならば窓埋めを狙った動きを狙い撃ちするような戦略を取る大口機関が出てきても不思議ではない。ややこしい話だが、窓埋めを狙った個人投資家が増えれば、窓埋めすると見せかけて売り浴びせる、窓埋めから下落すると見せかけて突き抜けた暴騰をする。

などなど今までと違った値動きを演出することも多くなってくる。

もちろんそれで恐怖を植え付けた後にいつもの窓埋めをすることも。

期待値という見方をすれば以前よりも下がってしまっているのは否めない。しかしなぜ窓を埋めるのかきちんと理論的に考えていくことで狙う価値は十分あると思えるだろう。

以前の筆者は単純に『窓は埋めやすい』という考えだけを持って売買していた。

そしてトレードを重ねていくうちに市場からある心理が見えた。少し考えればわかることだが、なかなかそこまで考えようとはしなかった。この機会に全て書きたいと思う。

NYダウ・ナスダック市場暴落後の心理

ここから先は投資家心理を深く考えていく。どうか大いに感情移入して考えて欲しい。

大衆心理を読むなんて無理だ、難しいと思う方も安心して欲しい。難しいことなんて1つもない。筆者も、そしてあなたも一般人だ。特別な人間というわけではない。

大衆心理というのは言わば一般的な心理の集合だ。自分が思ったことがそのまま大衆心理である可能性は極めて高い。だからこそ本気で感情移入して考えればそこに答えはある。

では考えていこう。

前日までにポジションを取っている持ち越し型スイングトレーダーと、持ち越しを一切しないデイトレーダーという2つの面から見ていくことが大切となる。

まずはダウ、ナスダックといったアメリカ市場が暴落した翌朝の心理だ。

持ち越し組
持ち越して失敗した。寄りでロスカットすべきか戻るのを待つか
ノーポジ組
ノーポジで良かった。寄りでリバウンド狙いしてみたいけど今回の暴落はヤバイやつかな

持ち越し組は朝から非常に憂鬱な気分となり、ノーポジ組は安堵感を持つ。しかしどちらも新規買いを入れたいという気持ちはなかなか持てない朝となるだろう。

ここで注目すべきは持ち越し組の思考だ。

寄りでたまらずロスカットする人、追証などで損切りせざるを得ない人もいる。しかし戻るのを待つと決めた人は前日終値近辺まで戻らない限り簡単には売らないだろう。

寄りから少し戻ったくらいで売るのならば寄りでロスカットするだろうから。

寄り後一段安した場合の心理

大幅安で寄り付いた上にそこからもう一段安した場合はどのような思考になるか。

持ち越し組
もうダメだ、売るしかない
ノーポジ組
ちょっと怖いけど勇気出して買えばさすがにリバウンドしそう

寄り付きでロスカットを我慢した組もこの下落には音を上げることになるだろう。また、寄りで買えずにしり込みしていたノーポジ組も打診買いしたくなってくる頃合いだ。

両者の思考が極端に分かれるポイントとなる。

ここで注目したいのは寄りでロスカットした持ち越し組だ。自分が売った金額よりも安く買い戻すチャンスの場面となっていることで買いに回る可能性もある。

もちろん順張り派は買わないのだが、すでに売り物を持っているわけではないため、売り圧力になる可能性はなく、逆張り派が買い圧力に回る可能性のみが残る。

寄り後にリバウンドした場合の心理

今度は反対に寄り底となって反発した場合のことを考えてみよう。

持ち越し組
頼む、なんとか昨日の終値まで戻してくれ
ノーポジ組
やっぱり寄り買いが正解だった!なんとかリバウンドを取りたい

寄りでロスカットしなかった組は前日終値、もしくは最低でも窓埋めポイントまでの反発を希望しながら相場を見ることになるだろう。対してノーポジ組はどうだろうか。

チャンスと思いつつも寄り買いを選択しなかった組は後悔の念に駆られる。

そしてなんとかしてリバウンドを取りたいと考えるだろう。

まだ窓埋めまで値幅的な距離があればここから慌てて参戦していく可能性も高い。

ここでも注目したいのは寄りでロスカットした持ち越し組だ。逆張り派は茫然自失となる場面だが、順張り派は諦め切れずに買い直しを選択する可能性が高い。

すでにノーポジとなっているため、逆張り派が売り圧力になる可能性はなく、単純に買い直そうという勢力が買い圧力になる可能性を残すのみとなる。

最も有利な心理状態を持つ者

くどいようだが、株に必勝法はなく、あくまで「心理的に」有利となる話だ。

ここで最も心理的に有利に立てるのは寄りで勇気を出して買った者だ。

・寄りから反発すれば眺めているだけで大きな利益になりやすい
・寄り後一段安しても買い下がりで対処するよう計画しておく

これだけでいいのだ。確かに怖い。ここからとんでもないショック相場入りしてしまうのではないかというリスクもある。しかしそんなケースは数年に一度のものだ。

多くの場合はこの寄り買いから損をすることはない。特に朝の一連の動きにおいては最強とも言える。

・ロスカットしなかった持ち越し組は前日終値や窓埋めを意識してホールド
・ロスカットした組の順張り派が買い援護
・寄りで買えなかったノーポジ組が買い援護
・ロスカットしなかった持ち越し組の売りが出てセリングクライマックスになりやすい
・ロスカットした組の逆張り派が買い支え
・寄りで買えなかったノーポジ組が買い始める
・寄りで打診買いした組は計画的なナンピンをする

いかがだろうか。心理的な部分のみで考えればこれ以上なく有利となろう。上がっても良し、下がっても良しという精神状態で相場に臨むことが出来るのは非常に大きい。

寄り後反発した場合はノーリスクに近い形で利益となる。

寄り後に一段安となった場合は少し恐怖を感じるものの、むしろナンピン、買い下がりによってロットが大きくなった状態でリバウンドになる可能性も高く、利益が大きくなる魅力もある。

利益を上げるためにはリスクもつきものだ。

恐怖に耐えた代償、我慢の代償として利益となる。

ノーポジだったのであればその時点で朝の暴落は回避出来たことになる。ならば寄りで少しばかりのリスクを取りに行くのは得策と言えるのではないだろうか。

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勇気を出すべきタイミングはここだ。

ギャップダウン時の寄り買いについて

窓を空けるほどの大きなギャップダウンに対して寄り買いをする手法は確かに以前は非常に高い勝率を誇った。しかし多くの人が寄りで買うようになると勝率は当然下がる。

寄りで狙う人が多くなればなるほど寄り値も高くなってしまうからだ。

大きなギャップダウンで売りたい人が売らされる展開になってこそ寄り底が形成されやすい。ノーポジの人でさえ寄り買いを躊躇するような恐怖のギャップダウンの方が好ましいのだ。

寄りで買いが多くなるような展開と見るや、寄り後の一段安を狙う手法にずらしていくのもいい。

そのあたりは臨機応変に動くことでさらに勝率、勝ち額は増やせるだろう。

アメリカ暴落後のデイトレが大勝ちになりやすい理由

すでにここまでの流れでおわかりかと思うが、もう一度考えていこう。

あくまで大衆心理であって、大口投資機関などがその大衆心理を狙い撃ちした場合はこの限りではないが、機関からしても大衆心理というのは敵に回すべきでないタイミングがある。

世界の株価が暴落した直後は大衆心理と同じ歩みをした方が得策なのだ。

さて、大幅ギャップダウンとなった寄り付きでは買い方が心理的に有利だと書いた。さらに下がったとしても買い支え勢力が多く、それ以上の売り物が出にくいからだ。

今度は大勝ちにつながりやすい理由に着目する。

寄り付き後に上昇した場合、含み損を持っているのは前日持ち越し組だけとなる。当日の寄り買いをした組は全員含み益だ。寄り後に一段安した場合も、寄り値を超えれば同じ境遇となる。

先述の『株価の流れ』を例に考えてみよう。

1840円で寄り付いた後、1860円まで反発したとする。コツコツ派のデイトレーダーやスキャルピング派のリカク売りは出るだろうが、他に大きな売りが出るポイントではない。

含み損の持ち越し組は1900円以上まで、出来れば1940円まで戻ることを願っている。

含み益を伸ばそうという当日組も多い。

つまり売り物が至極出にくい状況になるのだ。

1880円あたりまで反発しても同様だ。まさに「真空地帯」である。

そこに買い圧力がかかるわけだから一気の上昇になりやすい。ゆえに普段はもう少し小刻みにリカクしていた人もここはまとまった利益を取りやすくなるのだ。

窓埋め近辺の攻防

窓埋め近辺は激しい攻防になりやすい。窓埋め狙いで買いを入れる人たちが減っていくが、勢いに魅力を感じた順張り派の買いが入りやすくなっている。

それに対して静かに待ち構えていた持ち越し組の売りが出始める。

当日仕入れたデイトレーダーも窓埋め狙いの人は多く、このポイントはやはりリカク売り優勢となるケースが多い。確率だけで言えばここはいったん売っておく方がいいだろう。

しかしそれだけ売りが出るポイントを突き抜けるような展開となれば面白い動きに発展する。

何せ多くの人が売りを出すわけで、その売りを吸収してさらに上へ行く力があったわけだ。

大きな上昇のきっかけは得てしてこういう世界株価暴落後に起こる。底値で仕込めていたのであれば半分リカクしてもう半分で夢を見るのもありと言えるポイントだ。

しかしいったん見た含み益が減少していく流れの中ではリカクをしにくい。

どうしても最大の含み益に戻したい気持ちが強く出るからだ。

そういう気持ちに流されるタイプは迷わず窓埋め前の位置でひと足先に全て手仕舞ってしまう方が安全かつ慎重でいいだろう。これは臆病ではなく慎重な行動と言える。

逆のパターンも考えること

ここまで世界同時株安後の展開を考えてきたが、当然全くの逆パターンもある。

世界同時株高となり翌朝大きくギャップアップする時だ。この場合はいかに置いていかれるのが嫌でも、いかに強そうに見えてもノーポジが寄り買いするのはやめておこう。

大幅ギャップダウン後は寄り底となり、寄り買いの勝率が高いように、大幅ギャップアップ後は寄り天気味に推移するケースが多い。当然寄り買いが最も不利になってしまうのだ。

一瞬の判断遅れが大きな損失になってしまうこともある。

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全体相場の雰囲気をきちんと見て見極めるようにしたい。

まとめ

窓空け時に窓を閉めに行く動きが多い理由、わかっていただけたと思う。特に大きなギャップダウン後はチャンスも多く、そこに悪材料が絡んでいたとしても時にはチャンスとなる。

前日のうちに大きなギャップダウンをするような銘柄がないか調べておくのも良い。

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デイトレで生き残っていくためには努力を惜しまず全てに全力を尽くすことだ。

このアメリカ市場暴落後の朝トレードをマスターすればかなり明るい道が開けることになるだろう。是非とも窓埋めトレード、そしてあわせて朝のトレードを極めて欲しい。

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