PTS夜間取引の時間とやり方|取り扱い証券会社と利益の狙い方

PTSという言葉を聞いたことはあるだろう。夜間取引という認識が主となっているが、私設取引システムという名称で昼間であっても取引をすることが出来る。

トレーダーからの注文は通常証券会社が受け、代理で東京証券取引所などの市場に注文が出される。そこで売買が成立することで個人投資家の株取引が完了する。

PTSは東証などの取引所と違い、私設取引所内での売買となる。

堅苦しい話はこのくらいでいいだろう。多くの人が求める情報はPTSの時間とそのやり方、そして何よりPTSを使った儲け方についてだろう。

順を追って解説していく。

PTSの取引時間

PTSの取引時間は証券会社ごとに違う。

現在PTSを取り扱っている証券会社はデイトレーダー必須の3社+マネックス証券となっている。デイトレーダーであれば新たに口座開設は必要ないだろう。

やり方も簡単だ。特別申し込みなども必要なく取引することが出来る。

『市場』を選択する場所があるので、そこを「東証」から「JNX」や「PTSJ」など証券会社ごとに表記は違うがPTS取引市場を表す内容に変更すれば気配値を見ることも出来る。

あとはいつも通りにその市場で注文すればPTS取引が出来る。

主要3社の取引時間を見よう。

・SBI証券・・・1部 8:20~16:00 2部 17:00~23:59
・楽天証券・・・1部 8:20~16:00 2部 17:00~23:59
・松井証券・・・1部 8:20~15:30 2部 17:30~23:59

SBI証券と楽天証券は同じだが、松井証券はやや時間が短くなっている。

1部の時間が早く閉まるのは気にする部分ではないが、2部の開始時間が遅いのは致命的欠点だ。PTSは特売り、特買いの概念がないため、17時の開始直後に最もイレギュラー取引が発生する。

ここの時間帯で参加出来ないとPTSの魅力の半分を失うようなものだ。

もしもPTS夜間取引に興味を持っているものの、松井証券しか開設していないのであれば、SBI証券と楽天証券も開設しておいた方がいいだろう。

東証の昼休みにもトレード可能

11:30~12:30は東京証券取引所はお昼休みとなり売買が停止される。

このお昼休みの時間帯にIRなど材料が出ることもしばしばある。

好材料ならば気配値が表示される12:05が待ち遠しいだろう。逆に悪材料であれば12:05が怖くなるところだ。しかしPTSではひと足先に戦いが始まる。

昼休みも売買可能なPTSでは昼に材料が出た銘柄の売買が活発化する。

実際の気配値も見ることなくトレードが行われるため、12:30の後場寄り価格と大きく乖離した価格で取引が行われることも多い。PTSで買っておき、後場寄りで売るだけでどうなるか。

たったそれだけで大儲けになることもあれば大損になることもあるわけだ。

材料の良し悪しを見極める自信がある人はこのイレギュラーを取りに行くだけで大きな利益を上げることも出来る。PTS専門の投資家もいるくらいだ。

大引け後の決算を受けた売買

決算シーズンには大引け後の15:00、15:10、15:30など次々に決算発表が行われる。

お気付きのように東証は閉まっていてもPTSはまだ取引可能な時間だ。

ポジティブサプライズ決算と考えられたのならばすぐに注文を入れれば買える可能性もある。また、ネガティブ決算の場合も急いでPTSに行けば売り逃げられるかも知れない。

そのような使い方をする人も多いだろう。

ノーポジション側としては決算シーズンにPTSに注文を出しっぱなしで大引け後にボーっとしないことだ。どうせ買えないだろうと取り消すのが面倒で放置したら大変なことになりかねない。

昼間にPTSへ注文を出していたのであれば、15時前にきちんと取り消すようにしよう。

PTSを使った儲け方とは

まず特筆すべきは大口機関などがほとんどいないことだ。

出来高もそこまで多くないため、よほど大きな材料があった時は別だが、通常では大口投資家が参入してくることは少ない。株式投資は人と人の勝負だ。

自分の実力うんぬんよりも、相手との相対的な力量差が大事になる。

普段は勝てずとも、相手のレベルが落ちれば勝てる確率は高まる。

そういう意味でもPTSをやりやすいと感じる場面は多い。

大引け間際の急落銘柄

決算や材料以外のところで見ると、大引け間際に大きな急落を見せた銘柄に注目だ。

理由のわからない急落にホルダーは恐怖を感じている。その場合PTSでは流れを引き継いで売られるケースが多い。あくまで確率的なものだが、ここでの買いは成功しやすい。

確かに翌朝も流れを引き継いでギャップダウンする恐れもあるが、その場合はポッカリ窓を空けることとなり、寄り底から上昇する流れになりやすい。

また、夜間のうちにパニックが落ち着き、売られた理由がなかったことが安心感につながり、翌朝ギャップアップとなるケースも実は多いのだ。

夜間で安く買い、翌朝前日比+で売れた場合、その差は5%以上となるケースが多い。

筆者自身も今年に入りこのやり方(PTSで安く買い、翌朝の寄りで売る)で2回ほど5%以上の利益を上げることが出来た。

あまり大声で言いたくない情報ゆえ、他言はしないで欲しい。

IRや決算書を読んで勝負をする

決算などの材料が出た場合、その評価は様々だ。

好決算だから買われるというわけでもなく、悪決算が売られるかと言えばそうとも限らない。

特によく覚えておいて欲しいのは、決算に期待されている銘柄ほど決算前に先回りして買われるケースが多い。その場合、決算発表が行われる時にはすでに株価が高くなっている。

そういう会社の決算はよほどポジティブサプライズでもない限り、好決算を契機に好材料出尽くし扱いで売られてしまうことが多い。

掲示板などでは好決算だとお祭り騒ぎになっていることも多い。

騙されてPTSでジャンピングキャッチをしないようにして欲しい。

逆に下方修正常連のような会社は決算前に売り込まれるケースが目立つ。予想通り決算が悪かったとしても、通期下方修正がなかったりするだけで好感される場合もある。

悪決算出尽くし扱いで翌朝大きくギャップアップすることもある。

しかし当然掲示板ではお通夜と死体蹴りのような投稿になり、PTSでも値を下げる傾向にある。このイレギュラーが読めれば5%どころか1晩で10%の利益も夢ではない。

ストップ高銘柄はPTS内で売買完了が無難

ストップ高した銘柄は夜間取引でも取引が活況となりやすい。

多くは値上がりした位置で出来高をこなしていく。しかし昨今ではストップ高の翌日でも平然とギャップアップで始まることも多く、決して楽観は出来ない。

活況になっていることもあり、PTS夜間取引でのデイトレードをする分にはいいだろう。

しかし極力翌朝に持ち越すことなくPTS内で取引を完了させてしまった方が無難と言える。

PTSは売るためのところと言われるケースが多いのは、夜間取引で買われていたものの翌朝拍子抜けするような気配になってしまうことが多いからだと思われる。

ストップ安銘柄は注意して仕込む

注意して仕込むという二枚舌のような表現でしかお伝え出来ないことを先に謝罪したい。

ストップ安銘柄は当然PTS夜間取引でも安く始まるケースが多い。

翌日のストップ安で売買されているものを買っておけば翌日の段階で含み損になることはない。

PTSでストップ安付近で売買されていながら、翌朝ギャップアップしたケースも今年だけで数回見ている。PTSと翌朝寄り値の差は10%をゆうに超えていた。

勇気を出してPTSで買った人は大儲けになったはずだ。

このような魅力を持つ反面、PTSがストップ安付近とは言え張り付かずに買われていたものの、翌日寄らずストップ安となり、その翌日もストップ安となったケースもある。

これを掴んでしまえば一撃で大損となってしまう。

かなりハイリスクハイリターンなやり方ということを覚えておこう。

筆者は相対的に見れば勝率は悪くないように感じている。

PTSで気を付けるべきこととは

先述したようにPTSでは特売り、特買いの概念がない。

例えば2500円の銘柄があり、2800円にしか売り板がなかったとする。そこに2800円以上で買いを入れれば即座に2800円で買えてしまうのだ。

誤発注をしようものなら取り消す間もなくとんでもない価格で買えてしまったり売れてしまったりする。誤発注狙いと思える指値もよく入っているものだ。

注文をする際には指値の数字をよく確認するようにしよう。

特に100の位や10の位など、大きい位の数字だけは絶対に間違えないようにしよう。

理由のわからない夜間の値動き

時に何もないのに夜間取引で大きく値を上げているケースがある。

理由なしに大きく値を下げているパターンはあまり見られず、値を上げているケースのみ時々見られるのだ。いくら調べてもニュースやIRなどは出ていない。

この場合、殿様イナゴのツイートか、投資顧問の有料情報、無料メルマガなどの配信銘柄などがある。翌朝まで待てずに先回り買いをする動きをしているのだろう。

そのような時は大体翌朝から強い動きを見せる。

上げ理由は極力把握出来るようにしておきたい。

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朝の騙し気配に流されない

朝は8時から買い板、売り板を見ることが出来るわけだが、8時~8:20頃の板と、8:20~8:55頃の板、そして寄り付き価格と見ていくとそれぞれ全く別の風景となっている。

一例を出そう。

1.8時には630円のストップ安気配
2.8時20分には680円気配
3.8:55には770円気配
4.寄り値は735円

いかがだろうか。2019年8月28日のアンジェス<4563>の気配値推移だ。

ちなみに前日のPTSでは740円前後から645円まで一気に売られた場面もあり、勇気を出して買えた人は翌朝の寄り売り、もしくはPTS売りで大儲けとなった。

筆者は前夜PTSでフライング気味に買ってしまったのだが、8:55あたりのPTSにて767円で売ることが出来、それなりの利益を出すことが出来た。

気配値が大きく変わる理由の1つはこうしたPTSへの影響が狙いと考えられる。

PTSが始まるのは8:20だ。恐怖心を持っている人からすると8:20の段階でも仮にまだストップ安気配であれば寄らずストップ安を嫌って売りたくなるかも知れない。

そこで実は拾いたいという人もいる。

そんなPTSでの心理合戦を場外でやっているようなものなのだ。

このような気配値の操作を場外乱闘だと理解することで、それを利用したPTSトレードをすることもまた可能だ。少なくとも8:20~8:30くらいで意図的に作られる気配に流された売買をしないように気を付けて欲しい。

PTSの手数料

SBI証券が3社の中では最も安くなっている。基本的には3社ともに現物株の取引手数料と同じだが、SBI証券は現物手数料よりも若干安く設定されている。

楽天証券もプランによってはSBIとほぼ同等の手数料になる。

松井証券は取引をする人のやり方次第でもあるが、2倍程度の手数料となってしまう可能性もある。信用取引においては松井証券がベストという人は多いだろう。

しかしPTSに関して言えば他2社にやや遅れを取ってる感は否めない。

まとめ

PTS、夜間取引について詳しく書いてきた。イレギュラーな価格で取引されるケースが多く、上手に使えば大きな利益を出すことが可能ということ、ご理解いただけたと思う。

その反面、誤発注が命取りとなってしまう可能性があること、時には大損になってしまうリスクがあることも理解しておく必要がある。

筆者は通常取引は松井証券の一日信用取引を使っているが、PTSは楽天証券にて取引をしている。SBI証券も開設しているが、使い勝手の都合でこの2社をメインにしている。

取引ツールのトラブルなど、何があるかわからないので、デイトレードの日計り、一日信用取引手数料が無料となるこの主要3社は口座を開設しておくことをオススメする。

参考までに筆者が登録している投資顧問無料メルマガの中でもよく使う2サイトを掲載しておく。無料銘柄だけでなく、相場概要についても無料で配信されるので重宝している。

また、株の学校というサイトがトレードスキル向上のための無料メルマガを開始した。こちらはデイトレ、スイングどちらも参考になるはずだ。

しかしメール数が多く来るため、プライベートメールで登録するのはオススメしない。

無料メルマガ専用のアドレスを作っておくのがいいだろう。

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どちらもフリーメールで登録出来、個人情報を入れる必要もないのが嬉しいところだ。