デイトレーダーとして成功するためにはどうすればいいか、多くの人が考えることだろう。過去の成功者たちの書籍やブログなどを読み、憧れを持つ人も多いだろう。
しかしそこには大きな大きな落とし穴もある。
本記事ではデイトレーダーを目指す上で失敗を繰り返さないために、成功への近道としてどのようなことを心掛けるべきかを解説する。
トレーダー成功者の話
世の中には多くの株式投資指南書が売られている。株式用語の解説本からデイトレードのやり方、勝ち方のコツ、スイングトレード用の銘柄の選び方などより取り見取りだ。
トレーダーとして成功している人のインタビューなども多くの雑誌で見かける。
彼らは自分の成功談を素直に話してくれているわけだが、同じことをすれば勝てるという話ではない。なぜなら株式市場は常に変化しているからだ。同じことをしていて勝てるものではない。
アベノミクス成功談
2013年のアベノミクス相場では新興市場にも大きなバブルが起こった。
2013年前半はゲーム株、そして4月頃からバイオ株バブルと次々に大相場が発生した。この時は寝て起きれば株価が上がっているとも言われるほどで、とにかく握力が大事だった。
しかし信用取引余力をMAXまで使い、何度も回転している人も成功者の中には多い。その上で持ち越しも全力で行い、一気に億り人となった大成功者も多くいた。
それだけではない。
そんな時でも逆張りでコツコツと稼ぎ続けた成功者もまたいる。
このように同じ時代の成功者にも様々な成功談があるのが株式投資だ。
株式投資成功者に成功の秘訣を聞く
成功の仕方が様々であるように、成功者に成功の秘訣を聞いても内容はバラバラだ。
例えば順張りをメインに利益を出している人からすると逆張りは危険と言うだろう。
逆張りをメインに利益を出している人から見れば順張りは地合いの恩恵を受けている間しか勝てないと言うかも知れない。地合いが悪化しても勝てるのは逆張りと言うだろう。
とにかく良い位置で買って利益を伸ばすのがコツと言う人もいれば、リカク千人力だからこまめに利益確定をしながらデイトレードで回転していくことこそ勝ちへの近道という声もある。
デイトレで勝てない人はこれらの成功談を見て聞いて、読んでどう考えればいいのだろうか。
タチが悪いというのは違うかも知れないが、成功者の話が全て事実であるという点がまた難しいものだ。誰も嘘を言っているわけではなく、皆成功した流れを正直に話してくれているのだ。
自分が目指すトレーダー像を確立する
破産者が多く出た2006~2009年の相場でも利益を出し続けた人がいる。
2013年には一気に億を稼いだ人もいる。2014年以降は反動で大損をする人も多かったが、その中でも着々と利益を積み重ねた強者もいる。皆それぞれ輝き方が違う。
株で勝てない人からすると皆が皆眩しいくらいに輝いて見えることだろう。
どんな地合いでもコツコツ稼ぐあの人はすごいけど、短期間で億を稼いだあの人もすごいなぁ。暴落を利用して儲けるあの手法も憧れるし、バブルを確実に掴む手法もいい。
このように目移りする人も多いだろう。
ズバリ言おう。
・短期間で億を稼ぐ人はコツコツ稼ぐことに向いていない
・暴落を利用して儲ける手法はバブルに乗りにくい
・バブルに乗る手法は暴落時に大損傾向にある
成功者たちは成功する陰で何かを諦め、何かを捨ててきているのだ。
株ですでに利益を出し続けていて、もっともっと上を目指すというのであればわかる。だが、まだ勝ててもいないうちから色んなことを出来るようになろうとしない方がいい。
二兎を追う者は一兎をも得ずということわざをそのまま送りたい。
まずは自分が何を目的で株取引をしているのかよく考えて欲しい。
その上で最も理想に近いトレーダー、成功者の話を読むことがいいだろう。
実体験談は参考になる
サイトやブログなどは情報商材が売られていることもあり、それを売るためのサイトである可能性もある。そのため、まずはそこに書いてあることが真実かどうか確かめる必要がある。
残念ながらインターネット上には詐欺的商材も溢れている。
直接騙すことだけが詐欺ではない。ステルスマーケティングのようにあたかも自分も買ったかのように宣伝をしているサイトもある。実体験談を読んでいるつもりがただの宣伝文を読んでいるなんていうこともあるので注意して欲しい。
インターネットが広く流通して以降、情報商材と呼ばれる商品が世に多く出回るようになった。売っている商品のジャンルも本当にたくさんあり、タイトルを見ると魅力的なものが多い。 しかし情報商材屋は多くの人から煙たがられる存在でもある。 […]
本当の実体験談というのは非常に深く、とても参考になる。
特にショック相場時やバブル期にどのような考え方を持ち、どのような行動を取ったかというのは経験していない人からするとその相場を知る数少ない機会となる。
チャンスをどう掴み、ピンチをどう乗り切ったのかよく読んでみるといい。
必ず今後のトレードで役に立つ時がくるはずだ。
ブレない心を持つ
初志貫徹、途中でブレないことは非常に大切だ。
例えばコツコツ稼ぐトレーダーを目指したものの、コツコツドカンで心を折られることが多かったり、損切り貧乏、ロスカット貧乏に陥りコツコツ負け続けてしまったらどうだろう。
「やはり私にはコツコツは向いていないんだ」
すぐにこのような思考に流れる人がいる。
だがこれは非常に良くない。
どんな手法であっても『株』という括りの中では同じ。それは確かなことだ。しかし順張りの練習をずっと続けていた人がいきなり逆張りをしてもそれは素人でしかない。
コツコツ稼ぐ練習をしていた人が大儲け狙いを始めてもまた1からのスタートだ。
上手くいかないからと言って目指すトレーダー像を変更すればまた1からやり直しということになるのだ。そうならないためにも最初に自分の目指すトレーダー像を熟考すべきなのだ。
紙一重であることを再度意識する
株での勝敗は紙一重であることを以前書いた。こちらの記事だ。
勝ち組デイトレーダーと負け組デイトレーダー、いや、デイトレに限らず株のトレーダーにおいて勝ち組と負け組の違いはどこにあるか考えたことはあるだろうか。 当サイトでも勝てる人と勝てない人の特徴について取り上げたことがある。 [sit[…]
紙一重であるならば毎回毎回負けるのはおかしいという意見もあるだろう。だが紙一重であることは間違いない。負けるべくして負けている人であっても紙一重で負けている人が多い。
デイトレードであれば、買いも売りもたった数十秒早ければ勝てていたということは多いはずだ。
スイングトレードならばたった数日の差で大きなロスにつながることも多いだろう。
含み益を1回も見ることなくロスカットになることも実は少ない。ならばそこでリカクさえしていればそのトレードは負けではなく勝ちだったはず。これもまた紙一重だ。
分厚い紙であることは確かだが、この紙を下からぶち破るために日々練習していることになる。
少しずつでも勝ちへと近付いていても、目指す手法を変えてしまっては意味がない。
コツコツを諦め、損小利大のトレードを目指すも挫折し、再度コツコツを目指す。その場合もまた1からスタートするのと同じだ。都合よく経験値は残っていない。
いくら年月を重ねても一向に勝てるようにならない人は、このようにちょくちょく自分のやり方を否定したり、諦めたり、目指すトレーダー像を変えたりしている傾向が強い。
「極める」というのは並大抵の努力では出来ない。
少なくとも数か月~半年くらいは1つの手法のみを練習してみるといいだろう。
メンタル面は全手法共通で参考になる
デイトレはメンタルと言われることも多いように、精神面は結果に大きな影響を及ぼす。
どんなに勝ち続けている安定したトレーダーであっても、少しの心の乱れから大負けしてしまうことがある。
専業トレーダーは生活費もかかっているため負けるわけにはいかない。
そのためうまくいかない時期に焦りから余計なことをしてさらに窮地になることもある。
どんな手法、どんなトレーダーを目指すかによって練習方法は全く違ってくるわけだが、メンタル面についてはどの手法でも共通だ。そのため成功者の話は非常に参考になる。
チャンスと思いつつも一歩踏み出せない時、ピンチになった時、ロスカットすべきと思いつつも祈ってしまった経験など、メンタル面を大きく左右するような場面について解説してくれている。
直接的な勝ち方を求めてしまいがちだが、それよりもメンタル面を学ぶことが大切だ。
そうすることが実は勝ちへの近道となるからだ。
直接的な勝ち方、それは実はもう皆知っているはずなのだ。
自分こそ最高の教師
あなたが株未経験者であるならば、まずは株のことを知ることから始めよう。
株の始め方、購入方法からデイトレードのやり方、勝ち方まで解説していく。投資関連はこれからの時代を生きていく上で非常に大切な要素になるのは間違いない。 しかしこの日本ではなかなか投資に対して積極的になれない人が多い。 教えてくれる[…]
未経験者でなく、株で勝てないことに悩んでいる人だとすれば、実はもう勝ち方を知っているはずだ。負け続きであれば負け続きであるほど勝ち方は明確にわかる。
それはあなたが売るべきだと思った時に買い、買うべきと思った時に売ることだ。
下がると思った時に買い、上がると思った時に売ることとは違うこと、留意して欲しい。
上がると思った時と、実際に買うタイミングは違うはずだ。よく思い返してみて欲しい。上がると思ったものの躊躇してしまい、さらに上昇したタイミングで我慢出来ずに買うケースは多くないだろうか。
下がる時も同じだ。
下がると思いつつも少しの希望にすがってホールドすることは多いはずだ。そして底抜けをして我慢が出来なくなった時、やっと売るべきと考え行動に移すのだろう。
簡単に言えば全てにおいて行動が一歩、二歩遅いのだ。
それが敗因であるケースは非常に多い。
自分の負け方を分析し、行動をスライドさせる。勝つ秘訣なんてそれだけで十分なのだ。スライド量は人それぞれ違ってくるだろうが、いつも同じくらいズレているのだから簡単な話だ。
問題はそのスライド行動が取れるかどうかだ。
プライドとメンタル
自分の買いと売りをスライドさせるというのは同時に現時点での自分を否定することとなる。
勝てていない、負けているトレーダーであってもプライドは高く持っている人が多い。
そのため、自分の考えと違う行動を取ることに抵抗がある人の方が多いだろう。
自分の弱さを受け入れ、微調整をする勇気、これもメンタル面だ。
多くの勝ち組トレーダーも最初から勝ち組であったわけではない。
それぞれ勝てない時期を経て、勝てない自分を受け入れ、正しい努力をしたからこそ今があるのだ。だからこそ成功者たちのメンタル面の成功談は読む価値があるのだ。
どんな手法であっても勝てる可能性がある世界、それが株式投資の世界だ。
しかし柔軟な思考、弱さを受け入れることが出来る強いメンタル。これがないとなかなか成功することは難しい。株はメンタル、デイトレはメンタル。よく覚えておいて欲しい。
まとめ
どんな手法でも勝てる可能性があるからこそ、目移りしてしまうものかも知れない。しかし自分の目指すスタイル以外の手法はいくら学んでも役に立たないどころか邪魔にもなりかねない。
自分が目指すトレーダー像を先に確立し、そこを目指した練習方法に徹しよう。
その日のデイトレード収支や株のトレード内容をブログで報告しているデイトレーダーは多い。上手な人もいれば、まだ未熟ながら自身の上達のためにブログを書いている人もいる。 また、トレーダーの多くはそんなトレード結果を書いたブログをよく探して[…]
様々なブログを読み、なりたいトレーダー、目標を見つけることも大切だ。