株式投資、先物OP、FX、仮想通貨など様々なデイトレーダーがいるが、甘えの抜けないデイトレーダーは多い。また、承認欲求の塊で自信家で負けず嫌いも非常に多い。
どの分野のデイトレーダーにも共通するのは「時間が多く取れる」ということだ。
そのため、SNSやブログなどで収支報告をする人も多く、お互いがお互いを気にしてしまうようになる。デイトレーダーとインターネットは切っても切れない関係だ。
だが適切な付き合い方をしていく必要がある。
本記事ではデイトレーダーの本質と、正しい付き合い方について考察する。
甘えの抜けないデイトレーダー
インターネット証券が普及して以降、大成功を収めたデイトレーダーがテレビなどのメディアに出るケースが増えた。そのため、デイトレーダーを目指す人も多くなった。
しかしほとんどの人はあっさりと、本当にあっさりと退場に追い込まれる。
イメージの問題だが、どうもデイトレーダーという職業は簡単に見られがちだ。
誰でも簡単にトレードが出来る環境であるためか、その流れのままに誰でも簡単にデイトレーダーとして利益が出せるものと思われてしまうのかも知れない。
中にはいきなり成功してしまう天才型トレーダーも0.1%くらいはいるだろう。
だが裏を返せば99.9%の人は負け組トレーダーからスタートする。そしてそこから這い上がれるのもほんの一部、生き残れるのは多くても10%以下と言われる世界だ。
それなのにデイトレーダーは自信家が多い。
時に自信というのは大切だ。だが勝ててもいないトレーダーが自信を持つのは単なる甘えに過ぎない。トレーダーはポジティブであるべきと言われるが、ポジティブと甘えはまるで違うものだ。
ポジティブと甘えは違う
・いつか勝てるようになるはずだ
・皆最初は負けてたんだし大丈夫
・私ならいつか出来るようになる
・資金さえもう少しあれば勝てるのに
このような言い訳をしたことはないだろうか。もしくはSNSやブログなどで目にしたことはないだろうか。これはポジティブなんかではない。単なる甘えだ。
最初に負けるのはある程度仕方ないのは事実だ。負けから得られるものがあればそれは必要な負けとも言える。だがそれ以外の部分は一切擁護出来る余地はない。
・いつか勝てるようになるとは思いつつも不安で仕方ない
・皆最初に負けてる時、どんな風に思っていたんだろう
・出来るようになるとは思うけれどそれまで資金が持つだろうか
・資金が多い方が絶対有利だよな
本音はこんなところだろう。実は不安で仕方ないのだ。それを隠すために偽りの自信で自分を取り繕う。そしていつからか偽りの自信と本物の自信の見分けが自分でもつかなくなるのだ。
デイトレーダー同士の喧嘩
人間が最もイラつくのは何かご存知だろうか。それは「正論」である。
SNSやブログで上記のような言い訳を書いていると、必ずと言っていいほどマウントマンが現れる。
そしてそのままこう続けるのだ。「このような手法で私は勝っているのでやってみて下さい」「オススメのやり方があります」
そのままでは勝てないということなどSNS主、ブログ主はわかっている。
そこにこの正論ビンタだ。当然一気に怒りが沸点近くまでいき、反論をする。
「私は私のやり方でやっているので大丈夫です」
実はこれも正論と言える。何度も書いているように株に正解などない。いかにその手法で勝っている人がいても、相手にハマるとは限らない。決してマウントマンの手法が優秀とは限らないのだ。
本当の安定した勝ち組トレーダーはマウントに興味など持たない。
ゆえにマウントマンの多くは勝ち始めて間もなく、まだ安定していない人なのだ。こちらも不安であることを隠すためにマウントを取ろうとしているケースが多い。
正論にイラついたSNS主、ブログ主が正論で反論し、それによってマウントマンも反撃開始でデイトレーダー同士の喧嘩に発展というケースは幾度となく見てきた。
変われない弱さ
言い訳ばかりしている人は変わるべき、変わりたいという思いを持っている。だがそれ以上に今の生活を変えたくないという強い思いがあるのだ。これは自分自身の選択だ。
大人になると環境の変化を極度に恐れるようになる。
変わることで勝てるようになるかも知れない。それなのに本気で変わろうとはしないのだ。
結局いつかは勝てるようになるという甘えに支配されて現状維持に落ち着く。
資金さえもう少しあれば勝てるのにという言い訳は甘えが最も顕著に出ている。そう思うならば数か月休憩してアルバイトでもして資金を増やしてみればいいのだ。
それでもそれをしない、選ばない理由は何か。
それは資金を増やしたところで勝てなかったという結果が単に怖いだけだ。
だから変わろうとしない。自分の限界を知ることが嫌なのだ。
デイトレーダーの承認欲求
インターネット上には承認欲求の塊とも言えるデイトレーダーがいる。しかも少数ではない。
マウントマンもこの一種だが、SNSやブログ上にも数多く存在する。
特に多いのが勝ち方を覚えてから1年くらいの人だ。
株トレードで勝てるようになってから数か月であればまだこの先どうなるか不安な時期だ。この時期は匿名で他人のSNSに書き込むマウントマンになるケースが多いだろう。
しかし1年も経てばそれなりにやっていけるはずという自信が強くなってくる。
そこで匿名ではなく、堂々と自己のSNSやブログで自慢を始める。
気持ちはわかる。デイトレーダーというのは孤独な職業だ。家庭持ちであればいいが、独身ならば1日ほぼ誰とも話さずに過ごすことになる。成果を出しても話す相手がいない。
これは正直寂しいところだ。
自慢をする相手もいなければ当然誰からも褒めてもらえない。
そして承認欲求モンスターと化すのだ。
褒めてもらいたい感情の暴走
承認欲求というのはつまり他人から認められたいという願望だ。
身近な人間に勝てるようになったことを聞いてもらい、すごいねとひと言もらえればそれで解消される問題なのだ。それが出来ない立場の人間がネット上にそれを求めて動き出す。
だがネット上には赤の他人しかいない。そう簡単に他人を手放しで褒める人もいないだろう。
徐々にひねくれていき、他の誰かをけなしてでも、落としてでも自分を評価してもらいたい、いや、自分を評価させたいという欲求に変わっていく。褒めて欲しいだけだったはずの感情が暴走するのだ。
本当の評価というのは誰かに求めるわけでもなく、自然とついてくるものだ。
だが自分の成功の嬉しさと、誰も認めてくれない不満の2つが重なることでおかしな感情が噴き出してしまう。他人をけなすことで傷付けながらでも目的を達成しようとしてしまうのだ。
本当の力と安心感が薬
なぜ相手をけなすのか、なぜ認められたい、認めさせたいのか。
それまで勝てなかった自分はきっと多くの劣等感を抱えてきただろう。そして妬み、嫉みを抱えてきたことだろう。それがついに勝ち組に変わろうとしている。
今度は優越感を持ちたい。相手より上であることを感じたいと考える。
だがその本音は相手に認められることで自分はこの先も勝ち続けられると安心したいというものだ。
自分では気付いていないかも知れない。だが深層心理では不安であり、その不安を他者に認められることで払拭したがっているのだ。だが実際は認められたところで不安は払拭出来ない。
また次の人、そしてまた次の人から認められたいと思うはずだ。
そして永遠に満足することのない承認欲求ループへと発展する。
本当に満足して承認欲求が解消されるためには本当に勝ち続けられると自分で確信出来ることと安心感が必要になる。そのためには他者に干渉するのではなく、努力を続けることが現実的だ。
孤独感が原因である可能性も高いため、趣味を作ったり、トレーダー以外の人脈を作り、話し相手を探すことで解消されるケースもあるだろう。
デイトレーダーのあるべき姿とは
デイトレーダーとして成功したいなら常に過去の自分と競うべきだ。
勝ちたいならば努力をするしかない。勝ち続けたいならば努力を続けるしかない。すごいトレーダーを目標とするのは良いことだ。尊敬するトレーダーに師事するのも良い策だ。
誰かに教えを乞うということは、自分の弱さを認め、受け入れた上で、誰かの助けが必要であることを自覚している状態だ。変わる勇気が持てた証拠だ。
つまらない見栄やプライドなど捨ててしまえばいい。
勝つためにはそんなもの邪魔になるだけだ。
他人の成績がどうであろうと自分の成績には関係ない。他人が負けたからと言って自分が勝てるわけでもない。気になるのはわかるが、他人の成績は気にしないようにして欲しい。
他人に囚われない生き方をする
よく考えて欲しい。仮に他人に干渉、他人と競争意識剥き出しでデイトレをしていたら、誰かに勝ってもまた他の誰かに勝たなければいけない気持ちになるはずだ。
そうやって永遠に誰かと争い続けることになる。
そんなことのためにデイトレーダーになったのか。違うはずだ。
本来の目的を思い出して欲しい。
デイトレーダーという職業は本来自由なのだ。これ以上なく自由な職業だ。もしも安定して勝てるようになれたなら、多くの幸せを手にする準備が出来た状態となる。
しかしなまじ時間が多いため、他者へ干渉してしまう環境も整っているのが問題だ。
他者は他者、自分は自分という感覚を持つのは非常に難しい。ならば他者のことを気にする暇などないくらい自分が成長するための努力をし、本当の自由と幸せを手に入れられるように頑張ろう。
副業などに手を出すことも成長のきっかけにつながるだろう。
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自信家トレーダーとマウントマン
ここまでの流れからもおわかりだろう。勝てていないのにやけに自信満々という自信家トレーダーとマウントマンは両者ともに喧嘩などしている場合ではない。
勝てていない人は現在の自分を、現実をきちんと直視し、受け入れることが大切だ。
その上で本当に真摯に自分のことを思ってアドバイスしてくれる人が現れた時は反発などせず、ありがたく聞くことも必要だろう。聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥ということわざもある。
マウントマンも弱者を見つけて自分の力を誇示している場合ではない。
勝つことと勝ち続けることはまるで違う。
ある日突然勝てなくなってまた負け組になってしまうかも知れない。
勝てるようになったとしても本当に安定しているのか、独身であれば年間300万円程度の勝ちで十分かも知れないが、家庭を持つと年間530万円勝ちが要求されることになる。
それも毎年だ。
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弱者を見つけている暇など、ましてや構っている暇などないだろう。
結局どの立場であっても他者を気にするよりも自分自身との戦いを優先すべきなのだ。それこそデイトレーダーとして正しい姿、あるべき姿であると言えよう。
まとめ
今回は少し強い書き方の記事になってしまったが、非常に大切なことだと筆者は考える。勝負ごとの世界でもマナーは必要であり、相手を傷付けて良い道理などはないはずだ。
また、甘えを捨てない限り勝てない厳しい世界であることもきちんと理解する必要がある。
デイトレーダーは孤独な職業だ。だがそれ以上に勝負の世界という意味合いを強く持つ。他者との関わりを欲するものの、相手より優位に立ちたいという願望も付きまとう。
決して悪気はなくとも、残念ながらなかなか分かり合えない者同士なのだ。
そんな中でお互いを心から理解し、高め合える相手と出会えたのであればそれは非常に幸運なことと言える。だがそういう相手と出会えない人の方が多い。
その場合は他者にあまり干渉せず、毎日昨日の自分を超えることに専念することをオススメする。
トレーダーのブログを読む時のマナーも徹底して欲しい。
その日のデイトレード収支や株のトレード内容をブログで報告しているデイトレーダーは多い。上手な人もいれば、まだ未熟ながら自身の上達のためにブログを書いている人もいる。 また、トレーダーの多くはそんなトレード結果を書いたブログをよく探して[…]
少なくとも他者批判をしてまで承認欲求を満たすようなことはしないようにしよう。