デイトレで勝てない人は自分の力を嘆くことも多いだろう。なぜこれほど努力をしても勝てないのだと怒りさえ覚えることもあるだろう。だが冷静に考えてみて欲しい。
実際には自分が思っている以上に力はついてきている可能性がある。
違和感、何かがおかしい。この感覚だ。これを感じられるようになってくれば勝ちへの扉は確実に近付いている。本記事では違和感の正体と上手な人との行動の差について解説する。
言い訳をヒントに実力を計る
デイトレードのみならず、株で勝てない人の言い訳でよく「考え方は合っていた」「予想は間違っていない」という類のものがある。これはとても聞き苦しい言い訳だ。
しかしこれは本人からすると精いっぱいの抵抗なのだ。
人間は自己否定を嫌う。まぁ当たり前のことだ。だがそれでいいと筆者は考える。
自己否定を始めてしまうと負のスパイラルに突入してしまい、決して好結果にはつながらない。
ではその無理やり感満載の自己肯定、精いっぱいの抵抗から勝つためのヒントを考えよう。
「考え方は合っていた」「予想は間違っていない」に続く言葉は何だろうか。
「それなのに思う通りに行動が出来なかった」
これだろう。
言い訳を聞かされる側からすれば、なら自分で思ったままやればいいじゃないかということになる。だがこれがまた難しい。失うかも知れないという恐怖からなかなか行動が出来ない。
だが、毎回考え方は合っていたで終わるようでは永遠に勝てるようにならないのも事実だ。
予想と現実の違いについて
まず1つ、絶対に覚えておかねばならないことがある。
競馬であったり、野球の勝敗予想だったりは自分の予想や行動で結果が変わることはない。だが株は違う。予想だけならば変わらないが、実際にトレードをしてしまうと結果は変わる。
アルゴリズムを誘発する可能性もあり、需給を変化させるポイントを作ってしまう可能性もある。
ゆえにどんなに予想が合ってたとしても、そしてそれを行動に移せたとしても、本当に勝てていたかどうかはまた別問題ということになる。それは絶対に覚えておくべきだ。
だが今回はあくまで自分に言い訳をしてしまう甘えを許容した上で話を進めたい。
そういう人が多いのも事実だからだ。
無理やり行動に移す手段
成長するためにはたくさんのことが必要になる。1つは熱を感じることだ。予想で高みの見物をしているのと、100株でも参加するのでは全く違う。感情も感覚も全て違ってくる。
予想で終わるのではなく、結果を検証するためにも参加する意識を強く持とう。
勇気が出ないという人は予想の位置に100株だけ買い指値を入れる練習をオススメする。
その上で変更などせず、買わされたらその結果を見守ろう。
デイトレードに必要なこととして『決断力』と『行動力』がある。予想で上がると考えても、実際に買うまでのタイムラグは必ずある。売り板がなければ待つことになるかも知れない。
100株だけでも買っていれば、タラレバの内容も変わる。
「もっと株数を多く買っておけば」というタラレバだ。これであれば現実に近付く。確かに株数が変われば心理も状況も変わるわけだが、100株さえ買わない時とも全く違う。
いずれにしてもまずは100株でも買わないと土俵にも上がれないということだ。
デイトレーダーに必要な違和感とは
違和感、つまり何かがおかしいという程度のあまりアテにならない感覚のことだ。
しかし株式投資においてこの違和感はとても大切な要素だ。特にデイトレーダーは毎日相場と向き合い、そのほとんどの時間チャートや板、歩み値などを見て過ごすことになる。
銘柄ごとに癖があり、少しずつ違ってくるのは当然になるが、やはり共通事項は多い。
値動きの中身は毎日違うわけだが、上がる時、下がる時のチャートや板の雰囲気はそれなりに似通ってくる。勝ち組デイトレーダーは勝つ秘訣を「雰囲気」や「なんとなく」と話すことが多い。
これは決して言葉を濁しているわけではない。
毎日毎日人間同士、もしくは人間の知識を吸収したAIアルゴリズムと売買をしているのだ。
似た動きが頻出するのは当たり前であり、その前兆となる雰囲気も似通ってくる。
デイトレの勝敗は紙一重だと書いてきた。
勝ち組デイトレーダーと負け組デイトレーダー、いや、デイトレに限らず株のトレーダーにおいて勝ち組と負け組の違いはどこにあるか考えたことはあるだろうか。 当サイトでも勝てる人と勝てない人の特徴について取り上げたことがある。 [sit[…]
勝てるデイトレーダーは雰囲気で上がりそうと思えばまず買ってしまう。買った後で考えるのだ。下がりそうと思えばすぐにリカクなりロスカットをし、その後さらに考える。
「予想は合ってた」などというタラレバとは無縁なのだ。
負け組トレーダーの多くは自分で感じた雰囲気を信じることが出来ずに見に回る。そしてその通り上がった場合「予想は合ってた」というタラレバに走ることとなる。
両者の間に大きな差などない。ただ行動したかどうかだけだ。
雰囲気を覚えた次のステージ
言わずもがな「上がりそう」「下がりそう」というのは根拠がなく頼りない感覚だ。
自分の感覚に身を委ねる、自分自身のお金を委ねるほど信用出来ないという人も多いだろう。だがここだ。こここそが勝てるようになるかどうかの重要な一歩となる。
まずは雰囲気に従い、即行動する力を身に付けよう。
そして間違っていれば雰囲気の感じ方、捉え方を調整して感覚をより研ぎ澄ましていく。
それが出来たら次のステージだ。雰囲気をもう1つ上のレベルで応用する。
ここで使うのが違和感だ。
違和感の使い方
雰囲気というものがわかるようになると、必然的に違和感を覚えるケースも出てくるだろう。
・下がる雰囲気だけど下がらない
こんなケースが違和感だ。もちろん勝てる人は上がる雰囲気を感じた時点で買う。しかしそれでも上がらない。この違和感を感じた時点でいったんノーポジションとなるのが基本だ。
また、下がる雰囲気だけど下がらない場合はここで打診買いをしてみるのも手だ。
堅実派は違和感を覚えた時点でノーポジとなり、その銘柄への介入を避けるかも知れない。
相場だけに限らず、世の中の出来事は多くの『通常』と少しの『異常』で成り立っている。通常から得られる雰囲気と、異常から得る違和感。これはトレードにおいて大きな武器となる。
ほとんどが通常であるように、違和感のある相場に付き合う必要はないという考え方もあるのだ。
違和感を取りにいくことで大きな利益になるケースもあるが、違和感を感じ取ることが出来ずに大損となってしまう。そんな失敗は非常に多い。だからこそ大損を避けるための違和感。
コツコツドカンのドカン率を大幅に下げるためのリスク回避用違和感。
これは相対的に勝つ上でものすごく大切なことだ。
相対的に勝つという意識で株式投資をしているだろうか。デイトレにおいても長期投資においても絶対的に勝つ、全ての投資機会で勝つなどということは不可能に近い。 それが出来るのは未来から来た人くらいのものだろう。 しかし多くのトレーダー[…]
負け組トレーダーも勝つ知識はある
もちろん全ての負け組トレーダーに勝つ知識があるというわけではない。
だが、自分をひいき目に見過ぎた形ではない「予想は合ってた」というタラレバがよく出る人は勝つ知識を本来持っているとも言える。ただそれを実行する勇気がないだけだ。
そのため少しずつ後手後手に回り、タイミングがズレて負けとなっている。
今から書くことが自分自身に当てはまるかよく考えて欲しい。
このような負け方が一度や二度ではないという人。少なくはないだろう。
良く考えれば雰囲気を感じる力があるということだ。だが悪く考えればわかっていても行動出来ない人の典型ということになる。これはメンタル面の問題であり、非常に厄介だ。
知らないよりも厄介なこと
2.知っているのに出来ない人
一見知っているのに出来ない人の方がレベルが高く見えるだろう。事実として知識レベルは上なのかも知れない。だが2番の方が実は深刻な症状なのだ。
知らなくて出来ない人というのは、それを知ること、今回で言えば雰囲気を感じられるようになるだけであっさりとその通りにトレードが出来るようになる可能性がある。
対して2番の人は知識面でどうにかなる問題ではない。
性格の問題とも言えるため、簡単に直すことが出来ないのだ。
トレーダーが最も進化するタイミングは自分が弱い人間であること、凡人であることを受け入れた時だ。弱さを受け入れられた時、初めて新しい知識や技術を習得しようとする。
「考え方は合っていた」というのは自己肯定だ。
弱さを受け入れられるまではなかなか勝つのは難しいと考えると道のりは遠い。
デイトレで勝つための思考
タラレバが出る人は勝てる人は勝つための知識を持っている、だがそれでも勝ちへの道は遠い。
実力というのは実際の力ということであり、どちらを指すのか少々微妙だ。実際に勝てていない以上実力はないのかも知れない。しかし少しの変化で勝てるところまで来ているのは事実だ。
デイトレに正解はなく、固定観念は持つべきではない。
だが十中八九このように動くだろうという考え方が出来る場面はかなり多い。
そして何かがおかしいと思う瞬間も時にある。
これらを構築するのは経験からくる雰囲気、そして違和感だ。
第六感と言うと急に胡散臭さが出てくるが、そのようなものを感じたことがある勝ち組トレーダーは少なくない。1つ面白いデータを入手したので紹介したい。
直感力について
最初の直観はだいたい正しい(熟考した場合と同じ)
これだ。おおよそ60%、繰り返すことで結局90%程度まで同じになるらしい。
つまり直感でこうだと思った時、ちょっと待てよと立ち止まり、本当にそれでいいのか理論的に考えても結局は同じ結論に行き着くというデータがあるのだ。
直感で一度そうだと思ったことで、理論付けてそう考えようとするバイアスが働くのではないかと筆者は少し疑ったが、脳の使っている部分が違い、このデータは正しいそうだ。
ならば話は早い。
やはり雰囲気から得た直感というものを即行動に移すことは正しいと言えるのだ。
熟考しても結局同じ予想をする。だが上がる予想に至った場合、すでに一段上に株価が高くなってしまっている可能性がある。ならば直感があった時に買えていればすでに含み益のはずだ。
逆に熟考しているうちに下がったらどうか。
この場合、「買わなくて良かった」となり、直感が間違っていたという判断をする。
だがそれが単なる押し目であり、上昇してしまえば買えずに上昇という結果になる。
やはりこれも熟考した方が分が悪いと言える。
有利に働くのはそれだけではない。
イレギュラーに対する反応
ホールド株が下がり出した時、違和感を覚えた場合、それ以上に下がっていくのはイレギュラーだ。相場にはどうしたってこのイレギュラーがつきまとう。
どんなに勝てるロジックを構築しても、この1回のイレギュラーで意地になると負け組となる。
コツコツドカンのうちの1つであるが、どうしても含み損になること、負けることに納得がいかず無限ナンピンで対処し、窮地を乗り切ろうとしてしまうことがある。
結論から言えば勝てる。問題なく勝てる。コツコツドカンという投資スタイルは完全悪のように扱われることが多いが、果たしてそうだろうか。人間誰しもが少なからずコツコツドカンになるはずだ。 プロスペクト理論というのがある。人間の損失回避思考理[…]
これを普通の時にしていれば6~8割程度は助かるものと考えられる。
しかしこれを違和感のあったイレギュラー時にやってしまえば9割方大負けへと発展する。
イレギュラーを感じながらも意地になってドカン負けを繰り返してしまう人、それは本来であればイレギュラーを感じる力があるため、勝てる知識、本来であれば実力者にもなれるはずだ。
それを邪魔しているのは意地であり、プライド、そして失う恐怖だ。
弱さを受け入れることが出来れば劇的な変化、進化を遂げることが出来るかも知れない。
話を戻すが、イレギュラーを違和感として、直感で感じられた時、即ロスカットでいったんノーポジションという立場を取れれば危機回避にもつながる。これも直感力だ。
「何かがおかしい」
ノーポジションにする理由はたったこれだけで十分なのだ。
そして優位性があると判断出来る時にきちんと素直に、躊躇せずトレード出来ればいい。
まとめ
いかがだっただろうか。株式投資は、特にデイトレードはリスキーに見える場面こそ実は安全であるケースが多い。裏を返せば安全を求めることでリスクを高めてしまうケースも多いのだ。
臆病な時ほど、ビビってしまうそんな時こそ大胆な行動が取れるようにしよう。
「チャンスはいくらでもある」という感覚を持つことでロスカットへの躊躇を緩和することが出来る。
自分に合ったトレード環境、トレードルームを構築するのも大切な作業だ。
勝ち続けているデイトレーダーはトレード環境を整備している。デイトレ環境を整えることは勝ち組トレーダーの必須条件だ。 トレードルームを始め、トレードツール、インターネット環境など、デイトレをするための環境の正しい作り方を書いていこうと思[…]
勝てるための努力を惜しまないようにしよう。