株トレードにおいてメンタル面は非常に重要だ。普段はいかにも冷静に利益を積み上げるトレーダーであってもちょっとしたことがきっかけで凡人トレーダーに逆戻りすることもある。
それほど精神面はトレード成績に直結するものだ。
本記事ではデイトレードなどで大損した時の心のリセット方法について解説する。
デイトレードで大損した時の精神面
株で大損すること。それ自体は実は大したことではない。どんなに気を付けていても仕方がない負けというものは必ずある。リターンを取りに行く以上リスクはあるからだ。
しかしそれでもお金が一気に減ってしまえば精神面は乱れる。当然だろう。
そしてその精神の乱れは翌日、翌々日へと引きずることも多く、二次災害、三次災害につながるケースが多い。コツコツドカン型のトレーダーは、ドカン後のトドメのドカンに注意だ。
冒頭でも述べたが、メンタル面が一定でなくなってしまえばどんなに上手なトレーダーであっても凡人の仲間入りだ。インスタント凡人だ。もちろんずっと凡人というわけではない。
だがメンタルが修正されるまでは凡人トレーダーとしてトレードをすることだろう。
先に書いておこう、この凡人が常勝トレーダーに戻るためには失ったお金を諦めること、すなわち心をリセットすることが鍵となる。そのためにはどうするべきかを考えるのだ。
良い負け方をすること
「諦めがつく」最も良い流れは良い負け方をすることだ。
・ここで買って負けたなら仕方ない
・リターンを求めるべき場面ゆえにリスクを選択した
負けた後にこのようなことが言える負け方であれば引きずる可能性は低い。言ってしまえばこのようにサバサバとしている時というのは大負けまで発展していないケースが多いわけだが。
実際に大負けに発展してしまうのはこの時点で諦められず熱くなってしまうパターンだ。
自分のトレードスタイルという土俵の上で自分の得意な取り組みをする。その上で負けてしまったのであれば言い訳も出来ないためある意味気持ち良く完敗を認められる。
しかしきっかけはどうあれそこから自分で崩れてしまうとそうもいかない。
自分で転んだ後のボヤキ
自分のスタイルが崩されて大きな負けに発展してしまえばボヤキたくもなる。
・せめてナンピン分だけでも切れなかったか
・あんな下落はやっぱり納得出来ない
・なんで今日に限ってあんな動きになるんだ
・絶対許さない!絶対取り返す!
もはや具体的かつ効果的な反省もなければ感情論でしか振り返れていない。
気持ちはもうやり返す、取り返すという方向にある。
こうなると当然いつも通りのトレードなど出来るはずもない。仮にいつもと同じように予習をしてトレード戦略を立てることが出来ても恐らくその戦略が機能することはないだろう。
心のモヤモヤを解消する方法
良い負け方、納得出来る負け方をすれば引きずらないと言っても、大負けに発展した場合はほとんどのケースで自分のスタイルが崩れているため、簡単に納得は出来ない。
大引け時点では心のモヤモヤが絶頂となっていることだろう。
だからこそ筆者は持ち越しをしないデイトレードを推奨したい。
本来デイトレードというのは持ち越しを視野に入れるものではない。
含み損を作り、そこから自分のスタイルを崩してまで勝負をしにいき、さらに傷口を広げる。その上で持ち越しを視野に入れるのであればそれはもう単なるギャンブル中毒者だ。
スロットに例えるのであれば、ジャグラーで負け、AT機で負け、一気に取り返そうとミリオンゴッドで勝負をするようなものだ。
競馬に例えるならばガチガチの1番人気で外し、取り返そうと2~3番人気に賭けて外し、最後の勝負で人気薄に賭けるようなものだろう。
最後に宝くじで例えよう。ナンバーズで外し続け、ロト6で外し続け、最後に年末ジャンボを大量買いして一発逆転狙いをするようなものだ。
さて、このように熱くなって徐々にリスクを高めていき、感情に任せた勝負でうまくいった試しがあるだろうか。ほとんどの人はないだろう。筆者もこういう場面では必ず手痛い深手を負う。
そう、まずはこの負のスパイラルを断ち切る必要がある。
そのためには持ち越しをしないことだ。損失の先送りをしないことだ。
持ち越しさえしなければ負のスパイラルに突入しないで済む可能性が広がる。
持ち越した時の感情の動き
大引け後は持ち越していてもそうでなくても文字通り手も足も出ない。
もちろんPTSという勝負の場は残されているが、正攻法で戦う術はない。
PTSという言葉を聞いたことはあるだろう。夜間取引という認識が主となっているが、私設取引システムという名称で昼間であっても取引をすることが出来る。 トレーダーからの注文は通常証券会社が受け、代理で東京証券取引所などの市場に注文が出され[…]
何かしたくても出来ないという状況はさらなる焦りを誘発する。持ち越していても何も出来ない状況がそうさせるのだ。そして欧州市場、為替、米市場をずっと気にして過ごす。
少しのアップダウンに一喜一憂する。
翌朝8時になれば気配の上下で一喜一憂。そして寄り付きで売るわけでもなく市場が開くとともに前日からの延長戦が開始。そしてプラ転でもしない限り売ることはないのだろう。
さらに言えばこの状況が続く限り新規で良いトレードをすることは出来ない。
つまり機会損失が発生し続けていることになる。
持ち越さなかった場合の感情の動き
恐らくまずは茫然自失となるだろう。「やってしまった・・・」
ここまでは恐らくそうは変わらない。今度こそPTSも含め文字通り手も足も出ない。
だが、だからこそ考えることも何もないのだ。欧州市場や為替も気にならない。とことん落ち込むことが出来る。落ち込むことだけに集中することが出来る。
不思議なものだが人間は落ち込むだけ落ち込めばけっこうスッキリするものだ。
恋愛でも思い切り泣いてスッキリさせるタイプがいるのも同じだろう。
当然翌朝の気配も気にならない。市場が開いても延長戦はない。
元々勝てる力が備わっているトレーダーであれば負のスパイラルに突入することを回避し、いつもの日常に戻ることが出来る可能性も高いのではないだろうか。
もちろん持ち越しさえしなければそれで連敗しないかと言えばそうではないだろう。
だが持ち越しをしないということは連敗を避けるための最初の一歩であり、最低限の一歩でもあると言えよう。
諦めて前を向くために
負けてしまったことを変えることは出来ない。どんなに悔やんでも過去は変わらない。
ならば負けたことを気にしても仕方なく、未来を、明日どうすべきかを考えることが重要だ。そんなことは誰でもわかっている。それでも大負けは引きずってしまう。
負けに仕方ない負けなどない。だが負けたものは仕方ないのだ。
諦める、本当の意味で諦めるためにはどうすればいいか考えるのが最も現実的と言える。
心から諦めることが出来れば心はリセットされるからだ。
諦めることが出来れば心がリセットされる。ならば最も建設的な取り組みは「諦めるためにはどうすればいいか」を考えることになる。時間が解決してくれる面もあるだろう。
しかし翌日にまた取引があることを考えれば時間だけでは解決し切れない。
トレーダーという生活スタイルを活かす
デイトレーダーは15時の取引終了とともにすることがなくなる。
実はそのままでは心のリセットに向けてはマイナスだ。することがない、すなわち暇という事実は余計なことを考えてしまいやすい。当日の負けに思いを巡らせることになろう。
そしてイライラしたり、翌日にやり返すという気持ちを持ちやすい。
15時~17時くらいは当日を振り返り、反省し、落ち込む時間に使うことは賛成だ。
なぜ負けたのかを明確にし、原因を突き詰め、次に同じ負け方をしないように対策をすることはとても大切な作業になる。これは確実にすべきことだ。
しかし落ち込むだけ落ち込み、反省するだけ反省し、対策が出来たのであれば、それ以降はもう株のこと、デイトレのことは考えない方がいい。一切考える必要などない。
では17時以降、何もやることがないのにどうすればいいのか。
暇だと株のことを考えてしまうのではないか。
そこで筆者は副業を勧めたい。
トレーダーという職業は副業の時間を取りやすいだけでなく、パソコンの扱いに慣れていることもあり、注目される副業に着手しやすい環境にもあると言える。
なぜ副業なのか
結論から言えば没頭出来るものがあれば副業である必要はない。筆者自身は過去にオンラインゲームやスマホなどの携帯ゲームに没頭することで大負けを忘れようとしていた。
だがそれでも今はやはり副業を勧める。
忘れることが目的である以上、株のこと、デイトレのことを簡単に思い出さないように熱中出来ることが前提条件になる。ゆえに副業と言っても面白くない副業では意味がない。
没頭出来るような副業である必要がある。
なかなか難しいようにも思えるが、昨今では働き方改革、セミリタイアなどが話題となり、副業の種類も大変充実している。ブロガーやYouTuberという職業にも注目が集まる。
トレーダーであれば収支報告ブログをしている人も多い。
その日のデイトレード収支や株のトレード内容をブログで報告しているデイトレーダーは多い。上手な人もいれば、まだ未熟ながら自身の上達のためにブログを書いている人もいる。 また、トレーダーの多くはそんなトレード結果を書いたブログをよく探して[…]
ネットを介した副業が多くあるため、自分が没頭出来る副業も見つかりやすい。
そしてもしも没頭出来る副業に出会えたならば、大負けを忘れて前を向くという目的を達成しながら副収入を得ることも出来る。定収入につなげることも出来るのだ。
負けた金額を取り返すことがどうあっても出来ない15時以降にお金を稼ぐための行動が出来る。もちろん取り返すという意味ではなく、新しく別の場所からお金を生み出す行動だ。
この一点を見てもやはり大きな魅力だろう。
全ては明日のために
これらは全て「明日」勝つためにある。
デイトレーダーとしてまだ勝てるようになっていないうちは日々勝てるようになるための努力をする。そして続けていればいつか突然実を結び覚醒する日がくることだろう。
デイトレードで勝てるようになる人はどのようなプロセスを辿るのだろうか。最初のうちは負け続ける。これはよく言われていることだ。努力を続け、そこから少しずつ勝てるようになる。 多くの人はこのような想像をしていることだろう。 しかし実[…]
勝てるようになって以降はいかに毎日をいつも通りに取引出来るかが鍵となる。
勝てるようになることと「勝ち続けられる」ようになることは似て非なるものだ。
やっと勝てるようになったと思っても続けられないようでは結局退場に向かっていく。
せっかく勝てるようになっても退場してしまう人の多くは精神面のコントロールが出来ないタイプだ。ほんの1回、2回の大負けから取り返しのつかない大連敗を招いてしまう。
何気ない日常は両者に差などない。大負けを単なる1回の大負けで済ますことが出来るか、それとも坂道を転げ落ちる助走にしてしまうか。ここが大きな差となるのだ。
実は紙一重、本当に紙一重だ。しかし、この差は簡単に乗り越えることは出来ない。
勝ち組デイトレーダーと負け組デイトレーダー、いや、デイトレに限らず株のトレーダーにおいて勝ち組と負け組の違いはどこにあるか考えたことはあるだろうか。 当サイトでも勝てる人と勝てない人の特徴について取り上げたことがある。 [sit[…]
だからこそ忘れる。諦めるのだ。全ては明日、いつも通りのトレードをするために。
まとめ
いつも通りにやろうと思えば思うほど力が入り、いつも通りに出来なくなってしまうものだ。意識しないつもりでもついつい負けた翌日はリカクを引っ張ってしまいがちになる。
いつもなら買わないポイントでも強引にエントリーしてしまうこともある。
そうならないためにも持ち越しをせず、心をリセットするために没頭出来る何かを見つけて欲しい。そして出来ることならお金につながる副業に没頭することがベストだ。
デイトレーダー生存率はとても低く、専業デイトレーダーの数は減少している。
専業デイトレーダーは日に日に減少し続けている。信用回転無制限となって以降、アベノミクスも絡み合い多くの個人投資家が財を築いた。 しかし上昇が急激ならば下落速度も速くなるのが通例。 2014年には多くの退場者が出たと言われている。[…]
少しでも生き残る可能性を高める行動をしよう。