仕手系低位株と呼ばれる株やボロ株、クズ株と呼ばれる超低位株などは時にとんでもない上昇を見せる。低位株でなくとも仕手は入るが、低位株の短期爆発力はすごいものがある。
それゆえ魅力を感じ、仕手系低位株を追う者も少なくはない。
しかし仕手株に挑戦する多くの人は養分イナゴのようになってしまい大損を繰り返している。本記事では仕手株や低位株などの正しい買い方、トレード方法について解説する。
養分イナゴやイナゴトレードについては下記記事を参考にして欲しい。
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仕手株とは
仕手株というのは仕手筋と呼ばれる大口投資家、投資機関などが一斉に買いを入れるなどし、株価が短期急騰するような銘柄を指す。デイトレードに限った話ではない。
スイングトレードでは短期で数倍になるケースもある。
そのため、ギャンブル脳を持つ人たちは大きな魅力を感じる。
元々株式市場にはそういったギャンブル要素を求めている個人投資家も多く、仕手株に好んで参加する人も必然的に多くなる。
しかし短期で数倍になる可能性があるということは、短期で半分、数分の1になってしまうリスクもあるということだ。決してローリスクハイリターンというわけではない。
リスクとリターンは等価で成り立っている。
数倍になる夢を持った勝負をするならば半分以下になる覚悟も必要なのだ。
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仕手株の値動きの特徴
仕手株はまず仕手筋が買い集めることになるが、この時点で察知するのはとてもじゃないが無理だろう。誰にも気付かれないようにうまく集められるからこそプロと言える。
我々が気付くのは値動きが出てきてからになる。
株価急騰は大きく分けて5つのボックスに分かれる。
2.懐疑の時間帯
3.本格的上昇
4.仕上げの急騰
5.崩壊の下落
まずはピョコっとチャートが上に跳ねるような動きを示す。
この時点では違和感という程度のものであるが、気付くことは十分可能だ。
その後多少揉み合いの時間を経てから本格的な上昇に入る。どこかで止まるだろうという見方をしていてもなかなか止まらず、ついにはその日1番とも言える上昇を見せる。
興味を持ちながら株価の動きを追っていた人たちはここで我慢が出来ずに飛び付いてしまいがちだ。
多くの人はセリングクライマックスという言葉を知っている。
売りの最高潮であり、そこが底となり大きな反発が出来るポイントだ。
しかしその対となる言葉、バイイングクライマックスという言葉もある。
買いの最高潮を迎えるのが4番であり、そこが天井となって5番の崩壊へ向かいやすい。
これらを日足チャートに当てはめることで数日スパンで仕掛けられる仕手株についても同じように説明することが出来る。ほとんどの仕手株はこのような値動きとなる。
低位株とは
明確な定義はないが、2桁までの銘柄をボロ株、クズ株と言われるケースが多く、500円程度までの銘柄を低位株と呼ぶ人は多い。筆者の中では300円程度までと思っている。
しかし3桁のうちは低位株と言う人もいるだろう。考え方には個人差がある。
ではなぜ仕手筋はよく低位株を狙うのだろうか。
理由の1つは、1ティックの重みにあると考えられる。
例えば1500円の株が10ティック上がっても1510円であり、1%も上がっていない。しかし500円の株が10ティック上がれば510円となり、すでに2%上昇したことになる。
200円の株であれば5%だ。
このように低位株になればなるほど1ティックの持つ重みは重くなる。
もう1つは値幅制限にある。
2500円の銘柄のストップ高は500円高の3000円であり、20%の上昇がその日の制限株価となる。
対して250円の銘柄のストップ高は80円高の330円だ。30%を超える上昇が可能になる。
短期間で大きな花火を打ち上げてささっと去っていくにはこれらの理由から低位株が向いていると言える。
なぜ仕手株でいつも勝てないのか
仕手株で負けた経験があればすでにおわかりだろう。
仕手株に限らずイナゴトレード等の急騰株は必ず上記流れの4番から5番に移項するわけではない。1、2、3からも5番へのバイパスは急に作られることがある。
2.この後大きな上昇がくると思って買ったけど下がった
3.今回は本物だと思って飛び付いたら急に勢いを失った
4.このままストップ高は確実と思ったのに大損した
4番からの損失体験は強烈であり、大損となりやすいため記憶に残りやすいが、1~3番から出るバイパスについてはすぐに記憶から消えてしまいがちだ。しかしここでの行動は毎回かなり似てくる。
実はここでもプロスペクト理論が出てくる。損失回避の法則だ。
損失回避行動についてはこちらにも書いてある。
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しかし今回は予防的損失回避となる。
買い指値の位置問題
少し想像して欲しい。1~3の場面で買いを入れる場合、どのように買っているのか。
4番で飛び付いてジャンピングキャッチの大損経験をした人は恐らく似た行動を取る。
それはジャンピングキャッチを極力避けながら買おうという行動だ。
300円から310円まで急騰した場合、あなたはどこに買い指値を入れるだろうか。
306~308円あたりで買おうとする人が多いのではないか。
それが買えずに第2波が来て330円まで上昇したらどうだろう。322~327円くらいで買おうと指値を入れる人が多いのではないだろうか。その後大きな仕上げの急騰がきたとしよう。
350円まで一気に上昇した時、ここでこれ以上置いていかれたくない思いが出て成行買い、もしくは上値の売り指値にぶつけた買いを選択してしまう人が出てくる。
本当に不思議だが人間の心理はこのような流れになりやすい。
そしてまたそこで大損することで1番に戻るループとなる。
確かに最後の成行買いは最も悪い。しかし実はその前の306~308円の買い指値、322~327円の買い指値もとても大きな問題行動となる。この位置は本当に悪い買い指値なのだ。
中途半端な行動は逆効果
2回の買い指値は攻めたいのか守りたいのか中途半端な行動となっている。
どうしても仕手株やイナゴトレードで大損した経験から飛び付くことが出来ない。確かに4番の位置での飛び付きは悪手だ。しかしそれ以前の位置では飛び付きこそ最善の策となる。
とにかく買う。上値でも成行でも買うのだ。
そして買ってから迷えばいい。買って良かったのかどうかを。
買う前に「本当に買っていいのか」と迷っているのだろう。
だからこそ現在値で買うのではなく、少し下がった位置で買うことによりリスクを緩和したつもりになる。実はこれが大きな間違いなのだ。ここからが大事になる。
本当に強い銘柄はそんな指値で買わせてもらえない。
おわかりのはずだ。本当に強く、上昇していく株はそんなスケベ心からの買い指値を迎えに来ない。そういう人たちは最後の仕上げで買ってくれる大切な”お客様”だ。
今買わせるわけにはいかない。
買わされていることに気付こう
4番の位置で買えばほとんどが大損となるだろう。
しかしほんの一部はストップ高まで行き、大きな利益となる。まさにパチンコやスロットにのめり込んでいく素人と同じ感覚にさせられてしまう。抜けられなくなるのだ。
しかし1~3番で買えたとしても勝率が悪いのはなぜか。
それは買っているのではなく、買わされているからだ。
少し下げた位置に買い指値を入れ、その買い指値が約定するということは先述のように本当に強い株ではないのだ。迎えにきたわけではなく、買わされたに過ぎない。
勇気を出して上値をきちんと買い続けたのであれば勝率はそこまで悪くなどならない。
リスクを軽減しようと考えるがゆえにリスキーな買い方をしてしまっているのだ。
なんとも皮肉なものだがこれが事実なのだ。
少しまとめよう。
・4番では心理的に我慢出来なくなるポイントであり、大損リスクも高い
見ての通りだ。どこで買っても負ける可能性が高い。掲示板やブログなどで大儲け報告がある中、なぜ毎回負けてしまうのか少しは納得してもらえたことだろう。
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ではどのような買い方をすれば仕手株で毎回損をせず済むのだろうか。
仕手株・急騰銘柄の正しい買い方とは
正しい買い方という書き方をしているが、こうすれば必ず勝てるわけではないということ、ご了承の上お読みいただきたい。株に、デイトレに必勝法などないことはすでに記載済みだ。
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そもそも論として、コツコツ確実に勝っていきたいのであればこの手の仕手銘柄や低位株にはあまり手を出さない方がいい。その方が理不尽な負け方をしなくて済むからだ。
それでも仕手株がやりたい、でも毎回仕手株で負けてしまう。
そういう悩みを持っている人、先述のような買い方で負け続け悩んでいる人にとっては状況が改善出来る正しい買い方になるだろう。
急騰銘柄は買ってから悩む
先ほど少し触れたが、とにかく買う、買ってしまうのだ。
一瞬迷ったとしてもとにかくいったん買うという行動を起こす。打診買いでもいい。
この時点で迷って動けなくなることが一連の悲劇の始まりとなる。ここで動くことが出来れば儲けられずとも大損するようなことは絶対になくなる。ここで一歩踏み出す勇気は非常に大事だ。
1番の位置ですぐに買い、306~308円でも買えるような展開になればロスカット。
3番の位置ならば330円で買ってしまい、322~327円でも買えるような展開ならばロスカット。
実に単純明快だ。買ってから本当に良かったのか悩んでいるうちにもう一段上まで駆け上がってくれるケースも少なくないだろう。たった一歩踏み出すだけで景色は大きく変わる。
たったそれだけのこと、されどその一歩が難しいのだ。
株の勝ち負けはいつでも紙一重のようなものであり、行動に大きな差などない。
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しかし毎回下に買い指値を入れるやり方をしていれば毎回紙一重で下に居続けることになってしまう。ほんの少しの差ではあっても紙は分厚いものかも知れない。
突き破るべく行動を心掛けよう。
たった一歩の勇気でジャンピングキャッチは消える
4番の位置でジャンピングキャッチをしてしまう大きな理由、それは怨念だ。
一度買いだろうと思ったものの買い指値を下げたせいで買えずに上がっていってしまった。そんな流れを数回繰り返し、いよいよ仕上げとも言える最大の陽線が出る。
徐々に焦りや後悔、そして儲けられるはずだったのにという気持ちが強くなる。
それらの思いが怨念となってつきまとってくるのだ。
心の中でくすぶり続けているため、最も買ってはいけない仕上げのバイイングクライマックスでその思いはついに爆発する。この思いはなかなか消すことは出来ない。
だからこそ初動での一歩だ。
ここで勇気を出して買ってしまえば、「参加出来なかった」という後悔の念は確実になくなる。
行って来いチャートで損をするとしても大した金額にはならないだろう。
ここで参加しておくことによって4番の位置まで上昇しようとも、自分も利益を出したという感覚があるため、なんとしてでも参加したい、利益を出したいという怨念はついてこない。
そう、勇気の一歩は利益のためだけではなく、損失予防、それも大損予防になるのだ。
株トレードは常に紙一重。
一か所で上回ることが出来ればその後の流れでも常に上回ることが出来るようになるだろう。
上がっている最中に売る
勇気を出して買えるようになったら最後はリカクポイントだ。
上がっている最中に売るとどうしてもその上があったという感覚から「もったいない」と思ってしまいがちだ。しかしその5分後、10分後を見れば売っておいて良かったとなるケースも多い。
仮にリカクをしていなかったらどうだろうか。
一度もっと大きな含み益を見てしまっているため、下落途中に売ることはなかなか難しくなる。
特にバイイングクライマックスに付き合ったのであればかなりの含み益を見たことだろう。
もう一度、もう一度でいいからあの利益に戻って欲しい。
そう思いながら粘るものの、周りも同じように考えている。
結局は大きく減らしてからのリカク、下手をすればロスカットになってしまうだろう。
バイイングクライマックスで売れれば最高というのは間違いないが、頭と尻尾はくれてやれという株式格言もある。ド頭で売ろうなどと考えず、適度に儲ければいい。
そういう気持ちでリカクしていくことを心掛けるようにして欲しい。
まとめ
いかがだっただろうか。仕手株というのは洗練されたプロたちが仕掛けるものであり、素人の心理はがっちり把握されているものだと考えておいた方がいいだろう。
まるで誰かが後ろから見ていて意地悪しているのではないかと思うくらい買った途端に下がり、売った途端に上がる。その理由は当記事ではっきりわかってもらえたと思う。
たった一歩の勇気で周りよりほんの少しだけ上に行く。
周りよりもほんの少しだけ先に行動する。
これを心掛けて勝ち組トレーダーを目指そう。